2019.07.17
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ロボットで35年の実績! 独自の立ち位置から最適提案/しのはらプレスサービス

ロボットにはこだわらない

初代のワークロボと篠原正幸社長

 同社がプレス機のワーク搬送にロボットを提案し始めたのは1984年。自社でプレス機用のワーク搬送ロボット「ワークロボ(当時の名称はワークマン)」を開発した。ワークロボはラインアップを広げて現在も販売する。  「当社の目的は自社のロボットを販売することではなく、ユーザーに最も適したソリューションを提供すること。他メーカーのロボットの方が適する場合は迷わずそちらを提案する」と篠原社長は話す。  ロボットに動作を覚えさせるティーチングのできる技術者は6人いて、主要なロボットメーカーの大部分に対応できる。ロボットを熟知し、プレス機の製造や改造もできるため、システム全体の最適化が図れる。

自社製の自動化システム「ワークロボFFP」

 同社は73年の創業時から、プレス機の点検や保守を事業の柱とする。壊れた機械を修理するのではなく、壊れる前に発見して壊れないよう改造するなど、新たな価値を付け加えることを一貫して重視してきた。  その中で、プレス機の生産性や安全性を向上させる独自の後付けユニットも多数開発した。ロボットによる自動化も、こうした考え方の延長線上にあるという。  ユーザーがロボット付きプレス加工システムの増設を検討している場合でも、その他の手段が適すると思った場合は他の方法を提案することもあるという。  「ロボットはユーザーの困り事を解決する選択肢の一つでしかない。『人手は増やせないが生産量は増やしたい』という場合、既存のプレス機の改造で対応できることもある。プレス機メーカーともロボットメーカーとも違う独自の立ち位置で、さまざまな方法の中から最適なものを提案できるのが当社の強み」(篠原社長)。

顧客に合わせたシステムを

ティーチングが不要なばら積みピッキングシステム

 7月31日から開かれる展示会「MF-TOKYO2019(第6回プレス・板金・フォーミング展)」では、無造作に積まれた小さな板材を的確に持ち上げてプレス機に投入するシステムを展示する。  安川電機のロボットと、MUJIN(東京都墨田区、滝野一征最高経営責任者<CEO>)のコントローラーを組み合わせて構築した。  板材を取りに行く動作経路はコントローラーが自動で生成するため、人が入力する必要はない。これは「ばら積みピッキング」と呼ばれ、ロボットがこれまで不得手と言われてきた作業だ。自動車関係のユーザーに既に納入実績があるという。  一方、ロボットを使ったことがない中小企業には、よりシンプルなシステムを提案する。「まずは高度で複雑な作業よりも、シンプルなシステムで簡単な作業をロボットに置き換えるべき」と篠原社長は言う。  「『誰でもできる簡単な作業のためにロボットを導入するのはもったいない』と言う人もいるが、そういった作業を人にさせる方がもったいないケースも多い。簡単なシステムの方が日々の運用もしやすく、導入のハードルが低い」と篠原社長は話す。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

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