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2018.11.05

イベント

[JIMTOF2018速報 vol.2]海外勢、周辺機器メーカーからも自動化提案相次ぐ/日本国際工作機械見本市

11月1日から6日までの6日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで、日本最大の工作機械展「第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)」が開かれている。「世界3大工作機械展」の一つに数えられるビッグイベントで、来場者数は会期3日目で10万人を超え、累計では15万人にも手が届きそうなほどのにぎわいだ。速報の第1弾ではロボットメーカーや大手機械メーカーの提案を中心に紹介したが、海外メーカーや機械の輸入商社や周辺機器メーカーなども積極的に自動化を提案している。

多様な自動化を提案する大手機械メーカー

ヤマザキマザックはプログラム作成が簡単なシステムを提案

 前編で取り上げたオークマやDMG森精機とともに、工作機械業界の「御三家」と言われる大手工作機械メーカーのヤマザキマザックは、多種多様な自動化を提案する。
 多関節ロボットを使ったシステムをはじめ、後付け可能なローダー(加工材料の自動供給装置)や、レーザ加工機用の自動化システムなどを展示した。

 中でも、注目を集めたのはロボットシステム「TA-20/270」の展示だ。加工材料を回しながら加工する旋盤タイプの加工機「QUICK TURN(クイックターン)」シリーズと組み合わせて提案し、来場者の注目を集めた。
 工作機械の制御装置に専用のソフトウエアを組み込み、簡単かつ効率的にロボットのプログラムを生成できるのが大きな特徴だ。

複数工程を1台で担当

大きな反響があったジェイテクトの展示

 大手自動車部品メーカーであり、工作機械メーカーでもあるジェイテクトは、回転する円盤砥石(といし)で加工する研削盤の新製品「GF16S」を展示。安川電機の多関節ロボットと組み合わせた自動加工システムとして提案した。

 ロボットは機械の上に設置。加工材料の付け替えだけでなく、加工後の製品を取り出して測定ユニットで寸法確認する作業も担う。
 「当社の展示コンセプトの一つは、労働人口の減少に対する自動化ソリューション。それがヒットし、大きな反響があった」と担当者は手応えを語る。

ソディックはロボットと専用装置の2パターンの自動化を提案

 微細な雷のような放電現象を使って金属を加工する放電加工機でも、自動化提案は活発だ。

 放電加工機メーカーのソディックは福井県の自社工場から中継し、多関節ロボットを使った放電加工用電極と加工材料の自動交換を参考展示した。
 従来の自動化装置は機械の横に設置する必要があったが、多関節ロボットなら無人搬送車(AGV)に載せて使うことができ、1台で複数の加工機の自動化を担当できる。

 「専用の自動化装置と比べ、多関節ロボットはシステムの柔軟性が高い」と広報担当者は話す。

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