[特集 ロボットテクノロジージャパンvol.1]中部で最大、今年度最大 6月30日にいよいよ開幕!
製造業の中心地
愛知県を筆頭に中部圏は、言わずと知れた製造業の中心地だ。2020年の工業統計調査によると、都道府県別の「製造品出荷額等」は愛知県が47兆9244億円で、2位以下に大差をつけて1位だった。愛知県が1位になるのは1977年から40年以上連続だ。3位は静岡県、三重県が9位と、他県も高い水準にある。 愛知には自動車産業に加え、航空機産業なども集積する。完成品を製造するメーカーから、部品メーカー、受託加工企業、設備メーカーなどのサプライチェーンも中部圏に広がる。 中部圏は、ロボット・自動化システムの導入が日本で最も盛んな地域と言える。だが、これまで本格的なロボット・自動化展が根付いていなかった。いくつもの展示会が併催・同時開催される会場でロボットの展示ゾーンが設けられる例はあったが、ロボット・自動化をテーマに単独でここまで大規模に開催する展示会は他にない。 「“ものづくり中部”のさらなる発展には、産業用ロボットを活用した省人化、自動化が必須。本展をきっかけにロボットの活用が進むことを期待する」とニュースダイジェスト社社長の樋口八郎は語る。RTJは一度限りのイベントではなく、地元に根付いた展示会として中部圏の自動化を一層促進すべく、今後も西暦偶数年に継続的に開催していく方針だ。
展示情報をひと足はやく
ロボットダイジェストは、工作機械やFA技術の専門誌「月刊生産財マーケティング」、日本のFA情報を海外向けに英語で発信する「SEISANZAI Japan(生産財ジャパン)」とともに、RTJの公式メディアの一つ。3媒体の編集部が力を結集し、コラボレーション企画として今回のRTJ特集を実施する。 冒頭のインタビューには、愛知県の大村秀章知事が登場する。同県は「あいちロボット産業クラスター推進協議会」を2014年に発足するなど、ロボット産業の振興に注力する。愛知県は会場となるアイチ・スカイ・エキスポの事業主体でもあり、県内で開かれるロボット・自動化展に対する期待は大きい。
続いて、ファナックのロボット事業本部長である稲葉清典専務執行役員と、安川電機のロボット事業部長である小川昌寛代表取締役専務執行役員にも話を聞いた。両社とも会場内最大の70小間でブースを構え、中部市場のさらなる深耕を狙う。 デンソーウェーブやMujin(ムジン、東京都江東区、滝野一征最高経営責任者)、SIerのスターテクノ(愛知県岩倉市、塩谷陽一社長)の展示システムや、会場内で見られる工作機械関連のシステムなども、会期に先駆けて紹介する。 今回の特集は「新時代は愛知から ~ロボットで変わる~」と銘打った。今、ロボット・自動化関連の技術は急速に進化している。人工知能(AI)やセンシング、制御技術などは技術革新の連続だ。ロボットが従来のようにプログラミング通りに動くだけでなく、周囲の状況を認識した上での自律的な動作が実用段階に入ってきた。市場の伸びが今後も期待できるため、ハードウエアの要素部品の開発も活発で、新世代の製品が次々に市場投入される。それら新技術がロボットに実装され、そのロボットが現場に導入されれば、日本の産業界は今後大きく変わる。今はまさに、その転換点にある。自動化の新時代を、ぜひ会場で感じ取っていただきたい。
(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)
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