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2020.04.02

[特別企画 新ロボット展 in 2020年愛知vol.8]すぐに誰でも簡単に直動制御/アイエイアイ

7月2~4日に愛知県常滑市の愛知県国際展示場(アイチ・スカイ・エキスポ)で、産業用ロボット・自動化システムの展示会「ROBOT TECHNOLOGY JAPAN(ロボットテクノロジージャパン、RTJ)」が開かれる。同展に出展するアイエイアイ(IAI、静岡市清水区、石田徹社長)は、2点の位置決めに特化した電動アクチュエーター「エレシリンダー」を出展する。一般的なエアを使用する機器に比べ長寿命で、制御しやすい利点を持つ。会場では、物流や自動車産業に向け、電動の利点が分かりやすいデモンストレーションを用意するという。

注)新型コロナウイルスの感染拡大を考慮し、「ロボットテクノロジージャパン2020」は開催中止となりました(4月13日修正)

エアでなく電動を使う利点

1月に発売した「デジタルスピコン付きエレシリンダー」

 電動アクチュエーター(単軸ロボット)を製造するIAIは、今年1月に発売した「デジタルスピコン付きエレシリンダー」をRTJで披露する。

 電動アクチュエーターのエレシリンダーは、始点と終点の2点の位置を設定できる。直動部分に多く使われるエアシリンダーと比べ、パッキンの劣化によるエア漏れなどの故障がない。特にロッドレス型では同社調べで、走行寿命を100万回から500万回と5倍に延ばせる。さらにエアは供給空気圧の変動やシリンダーの劣化で調整が必要だが、電動は数値設定のため調整がいらない。

「本当に利点を理解している人はまだ少ない」と楢原基広課長

 さらにこれまで外付けだったコントローラーとティーチングペンダントを内蔵したデジタルスピコン(スピードコントローラー)付きエレシリンダーは、作業者が変更したい時にその場で数値を入力できる。
 「電動アクチュエーターを知っている人は多いが、本当に利点を理解している人はまだ少ない」と楢原基広企画第二課長は説明する。

 展示会場では、来場者がエア機器との違いが一目で分かるような、分かりやすいデモンストレーションを用意する。

滑らかさで物流と自動車業界にアピール

エレシリンダーを使った搬送デモシステム

 エレシリンダーは電気的な制御のため、移動の距離だけでなく、速度や加減速の調整も可能。急発進と急停止を抑制し、滑らかな動きを実現する。工作機械の扉の開閉や、物流のコンベヤー搬送で荷物を持ち上げたり、押し出したりする部分に最適だ。

 RTJでは、物流関連に向けた提案の他、中部での開催ということもあり、自動車産業に向けた展示も多く用意する予定だ。「RTJは今年初めて開催される展示会。しかも産業用ロボットに特化し、ものづくりが最も盛んな愛知で開催されることから大きく注目されるだろう」と楢原課長は期待を示す。
 今年4月からは全国の代理店にエレシリンダーのサンプルを提供。展示会への出展と併せてPRを強化する。

(ロボットダイジェスト編集部 渡部隆寛)


※この記事の再編集版はロボットテクノロジージャパンの公式サイトや、「月刊生産財マーケティング」4月号でもお読みいただけます。

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