2022.03.23
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[国際ロボット展 特別リポートvol.12]先進技術で全体最適を提案/三菱電機

ティーチングレスに注力

さまざまな先進技術を駆使したティーチングレスロボットシステム

 参考出展した「ティーチングレスロボットシステム技術」も、大きな目玉だった。自社開発の人工知能(AI)技術「Maisart(マイサート)」の一つとして新たに開発した高精度な音声認識AIやロボット動作の最適化技術などにより、教示(ティーチング)不要で、専門知識がなくてもロボット動作プログラムを自動生成できる。  メニューが頻繁に切り替わる食品工場などの盛り付けや仕分けなどの作業工程の自動化を促進する提案だ。自然言語による作業指示ができ、3次元センサーで検知した画像などから環境情報を整え、さらに拡張現実(AR)技術を組み合わせて作業動作を視覚的に確認できる。会場では唐揚げの盛り付け作業などを実演した。

パートナーのSIerと非定型作業ロボットなどを展示

 三菱電機のロボットを使った具体的な活用事例を、7社のシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)とのコラボレーションとして展示もした。  例えば日鉄エンジニアリング(東京都品川区、石倭行人社長)は、ロボットが物に触れた感触を手元にフィードバックできる慶応義塾大学の「リアルハプティクス技術」を使い、人が操作した作業をティーチングレスでロボットがそのまま再現する非定型作業ロボットを展示。曲面をロボットが簡単になぞる様子に来場者は目を奪われた。

ロボとFAの高度な連携を訴求

 ロボット事業の足元は好調で、今年度の生産量は昨年度の1.5倍に到達し、それでもまだ受注の勢いに追いつかないほど。特に中国や欧州での伸びが顕著で、半導体を中心に部品不足の影響も大きいが、今は何とかしのいでいる状況という。  「お客さまはロボット単体ではなく、システムや工場の全体を見ている。その中で、現在はティーチングレスやプログラムレスなど、立ち上げや運用がしやすい機能が強く求められている。今後もロボットとFA製品の高度な連携で、ニーズに応えていく」と大塚部長は意気込む。

(ロボットダイジェスト編集部芳賀 崇)

[2022国際ロボット展(iREX2022)特別リポート]

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