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2025.12.17
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幅広い産業向けに自動化を提案/ナ・デックス

ナ・デックスは11月19日~21日の3日間、愛知県北名古屋市のナ・デックス技術センターでプライベートショー(PS)「NADEX Private Show(ナ・デックスプライベートショー)2025」を開催した。溶接や物流、ファクトリーオートメーション(工場自動化=FA)など幅広い分野に向けて最新技術や自動化システムを提案した。

一貫対応が強み

説明員の話に聞き入る来場者

 ナ・デックスは自動車産業向けの電子部品やFA機器を取り扱う商社機能に加え、溶接機器や自動化システムなどを手掛けるメーカーとしての一面も併せ持つ。近年は製造現場の人手不足を背景に、得意の溶接関連の技術や自動化システムに加え、物流やFAなどの幅広い分野に向けた自動化提案にも力を注ぐ。

 今回は「先端技術で未来を拓く接合のナ・デックス」をコンセプトにPSを開催。「スポット溶接ソリューション」「レーザ加工ソリューション」「ITソリューション」「FAソリューション」「物流ソリューション」の5つにブースを分け、最新技術や自動化システムを展示した。

ZS RoboticsのRGVは最大で2tの荷物を搬送できる

 物流ソリューションブースでは「搬送と保管の無人化」をテーマに据え、自動倉庫内を走り回るレールガイド式の搬送シャトル(RGV)、無人フォークリフト(AGF)などを組み合わせたデモを実施した。

 中国のロボットスタートアップ、ZS Robotics(ZSロボティクス)のRGVはレール上を縦横無尽に走行し、空いているスペースに荷物を搬送する。設置スペースに合わせてラックを自在に組み立てられ、既設の建屋でも自動化を実現しやすい。また、物量の変化に合わせてラックやRGVを柔軟に増設できる。

ナ・デックスでは倉庫制御システムの構築も担う

 中部営業1部物流システム課の榊原亮課長は「RGVが上下方向に移動するには昇降機を設置する必要があるが、AGFを活用して直接上階に荷物を搬送するという使い方もできる」と話す。

 同社では自動化機器の制御や連携、搬送ルートなどを管理する倉庫制御システム(WCS)を構築する専門チームを擁しており、要件定義から設計まで一貫対応できるのが最大の強みだ。

動くワークに追従

 FAソリューションブースではニコンの「ロボットビジョンシステム」と協働ロボットを組み合わせ、コンベヤー上を流れる対象物(ワーク)にねじ締めをするコンベヤートラッキングシステムを披露した。

 ロボットアームに取り付けたビジョンシステムはコンベヤー上を流れるワークを認識すると、1秒間に約250回撮像して座標を読み取る。そのデータをリアルタイムでフィードバックすることで正確な位置を認識し、ワークの動きに滑らかに追従して作業をこなす。

幅広い産業への適用を想定するビジョントラッキングシステム

 東部営業部の伊藤健二次長は「コンベヤートラッキングシステムはエンコーダーとロボットを同期して構築する手法もあるが、制御やプログラミングの難易度が高かった。このシステムは複雑なプログラミングなしで生産のタクトタイムを大幅に短縮できる」と語る。

 また、ニコンのロボットビジョンシステムには2Dカメラと3Dカメラが内蔵されており、2つのカメラを使ったばら積みピッキングにも対応する。まず、3Dカメラでワークの点群データを取り、把持しやすい位置にあるワークをつかむ。次に2Dカメラを使って把持したワークの向きや姿勢を捉えられるため、高精度にピッキングや組み付け作業を自動化できる。

 伊藤次長は「ロボットアームにカメラを取り付けるため、複雑形状のワークでも多方向からのぞき込むような動きで認識できる」と説明する。

 自動車産業向けの製品を得意とする同社だが、今後は物流ソリューションやFAソリューションで披露したような自動化システムを幅広い産業にも訴求する構えだ。

(ロボットダイジェスト編集部 平川一理)

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