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2023.05.12

連載

[注目製品PickUp!vol.52]ハンドの小型化に貢献するモーター/OKIマイクロ技研「サムベリーナ」(1/3)

ロボットダイジェスト編集部が注目したロボット関連の製品を紹介する「注目製品PickUp!」。今回は、OKIマイクロ技研(福島県二本松市、富澤将一社長)が3月22日に発表した高トルク小型モーター「Thumbelina(サムベリーナ)」を取り上げる。多指多関節のロボットハンドの小型軽量化を実現する製品という。「直径12mmのコアード構造のブラシレスDC(直流)モーターとしては世界最小クラス」と、今後の需要拡大に自信を見せる。

ロボットハンドの小型軽量化を実現

 沖電気工業(OKI)傘下のOKIマイクロ技研(福島県二本松市、富澤将一社長)は3月22日、都内で会見を開き、多指多関節ロボットハンドの小型軽量化を実現する高トルク小型モーター「サムベリーナ」を開発したと発表した。今年3月にサンプル出荷、2023年度内に量産を始めるという。ロボットハンドや医療・介護機器、飛行ロボット(ドローン)搭載モジュールなどでの活用を見込み、25年度にロボット関連事業で年間5億円の売り上げを目指す。

高トルク小型モーター「サムベリーナ」

 サムベリーナは、小型で高トルクなブラシレスDCモーター。直径12mm、長さ25.5mm、重さ16.5gで、ちょうど人間の指先ほどの大きさだ。サムベリーナとは、童話「おやゆび姫」の意味。従来の同サイズ比2倍のトルク定数を持つ。ブラシ(電極)を使う機械的なものではなく、電子回路を使い電気的に電流を切り替え、モーターを回転させる。
 先端医療分野や食品分野などでの繊細な作業でも活用が進む産業用ロボットでは、形状や重さが異なる物をつかめるロボットハンドの需要が増している。また、ロボットハンドの形状が人の手のように多指多関節になりつつあるという。そうしたロボットハンドに適する。

 固定部(コア)の内側に回転部(ローター)があるインナーローター型で、高い回転力や精度を得られる多極多スロットコアード構造を実現した。コアード構造はコイル内部に鉄を充てんした構造で、鉄を充てんしないのがコアレス構造だ。
 高いトルクを得るには巻線材をより多く巻く必要があるが、小径コアの場合、巻線するスペースが非常に狭く、巻線がしにくい。そこで、ごく狭いスペースでも巻線(コイル)占積率70%以上を確保する「極狭スペース巻線技術」などを開発した。従来の丸線コイルの占積率は55%ほどという。

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