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2020.05.18

インタビュー

オープン化時代に使いやすい汎用コントローラーを【前編】/KEBA Japan村上正和社長インタビュー

オーストリアの産業機械向けコントローラーメーカーのKEBA(ケバ)。製品の大半が相手先ブランドによる生産(OEM)で、特徴は汎用性の高さだ。ロボットの基本となる動作を、テンプレート(ひな型)の選択だけで構築できる。日本法人、KEBA Japan(東京都江東区)の村上正和社長は「ロボットの動き方は、垂直多関節や水平多関節といったタイプ別で見ると、基本はほぼ同じ。ならば、基本動作を搭載済のコントローラーを使えば、自社の付加価値の創出に注力できる」と提案する。

KEBAの歴史は銀行のATMから

KEBAのオーストリア本社(KEBA提供)

――まずは、御社の概要について教えてください。
 KEBAはオーストリアで1968年に創業した産業機器メーカーです。まず電子機器部品から着手し、79年には銀行の自動預け払い機(ATM)を、83年には各種機械の制御機器を作り始めました。この2部門を主力事業とし、今ではニッチな分野にも進出。宅配ボックスなどのロジスティクス事業や電気自動車(EV)向けの急速充電器なども手掛けています。13カ国に進出し、1700人以上の従業員がいます。

――日本法人ができたのは。
 KEBA Japanができたのは、2011年です。日本法人は産業向け制御機器部門の営業に特化しています。もちろん、ATMやEV用充電器の引き合いが来たら、本社との橋渡し役は担いますが、メインにするのは制御機器です。

制御機器はOEMに特化

「KeControl(コントロール)C5シリーズ」の一つ「CP 505」に出入力モジュールを追加したもの

――その制御機器の一つがロボットコントローラーですね。
 はい。産業機械向け制御機器の「インダストリアルオートメーション」部門では、主にロボット向けと、樹脂製品を量産する射出成形機向けのコントローラーを企画開発から設計、製造、販売まで手掛けています。また13年には、板金を曲げるプレスブレーキと呼ばれる機械向けの制御機器メーカーを買収するなど、範囲を広げています。工場内にある機械の制御装置が一緒ならば、機械同士の連携もより取りやすくなりますからね。インダストリアルオートメーション部門では、顧客の機械に組み込まれて使われる相手先ブランド生産(OEM)に特化するのが特徴です。

――では、ロボット向け製品の強みは何でしょう。
 わが社のロボットコントローラーのハード面の特徴は、徹底したモジュール化(ユニットの組み合わせ次第で多様なニーズに対応できるようにする設計手法)です。OEM先である顧客の要望に幅広く柔軟に応えられるよう、さまざまなオプションを備えています。例えば、昨年春に発売した「KeControl(コントロール)C5シリーズ」では、コントローラーの基本スペックの違いや出入力端子の選択、産業用パソコンやハードディスクドライブなどの後付け機器への追加などで、組み合わせは100パターン近くになります。

基本的なロボットの動作システムをテンプレートで選択していく様子(KEBA提供)

――100パターン! それは多いですね。ですが、各社の多様なロボットに対応する機器では、設定が煩雑なのでは。
 いえ。システム設定が簡単なのも特徴です。KEBAのコントローラーでは、基本的なロボットの動作システムをテンプレートで搭載しています。まず、垂直多関節型や水平多関節型、パラレルリンク型、直交型などロボットの種類を選択します。垂直多関節型ならば、軸数や処理のサイクルタイムなどのパラメーターを選択肢から指定するだけで、動作システムのベースを構築できます。

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