生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン

2023.04.05

[ショールーム探訪vol.12]モノ売りからコト売りへ/因幡電機産業「ロボットセンターOSAKA」

ロボットダイジェストの記者が、読者に代わりショールームを訪問する連載企画「ショールーム探訪」。第12回は、電設資材商社の因幡電機産業の「ロボットセンターOSAKA(大阪)」を訪れた。同施設は2020年にリニューアルオープンし、来場者の課題解決を提案する場として展示内容を一新した。自動化システムの導入を検討する人にとり、さまざまな問題の解決方法を学べるショールームだ。

リニューアルでソリューション提案の場に

URのロボットを中心に、さまざまな商品を取り扱う

 因幡電機産業のロボットセンター大阪は、大阪メトロ谷町線・中央線の谷町四丁目駅から徒歩1分の場所に位置する。大阪の中心街の梅田エリアにある大阪メトロ谷町線東梅田駅から乗り換えずに行けるため、足を運びやすい。
 谷町四丁目駅周辺は、大阪合同庁舎第2・4号館や昨年9月に竣工(しゅんこう)したばかりの大手前合同庁舎などが集まる市内有数の官庁街だ。

 同センターは元々大阪市中央区の大阪メトロ中央線・千日前線の阿波座駅付近にあったが、20年10月に現在地に移転し、展示内容をリニューアルした。メカトロシステム部の朝倉崇之部長は「リニューアル以前は、協働ロボットなどの商品を単体で展示していた。しかし、来場者に自動化システムを導入した時のイメージを持ってもらえる展示内容も必要だと感じ、リニューアルのタイミングで新たに模擬生産ラインを追加した」と語る。
 デンマークのロボットメーカーであるユニバーサルロボット(UR)の認定トレーニングセンターに認可されており、トレーニングルームを併設するなどショールーム以外の機能も充実している。

模擬生産ラインを展示

瓶詰めラインを模したロボットシステムの一連の動作

 朝倉部長にショールームへ案内してもらい、ぱっと目に飛び込んできたのは部屋のスペースのおよそ4分の1を占める大きな模擬生産ラインだった。
 その正体は瓶詰めラインを模したロボットシステムだ。段ボール箱の開梱や瓶の取り出し、箱詰めから封かんまでの作業をロボットで自動化する。ベルトコンベヤーに載った箱を向かって右から左に流しながら、協働ロボット4台と無人搬送車(AGV)1台、封かん機1台が作業を進める。まず、AGVが複数の空き瓶が入った箱を運んでくる。1台目の協働ロボットがハンドを駆使して、箱を大型のベルトコンベヤーに載せて開封。2台目の協働ロボットが箱に入っている瓶のふたを開けた後、瓶とふたを小型のベルトコンベヤーに載せて流す。
 
 次に、瓶に中身を詰め終わったと想定し、3台目の協働ロボットが瓶のふたを閉めて箱詰めして、箱を封かん機に流していく。封かん機は、箱を閉じてテープで封函する。4台目の協働ロボットが流れてきた箱にラベルを貼り、待機スペースまで箱を押して動かす。待機スペースに箱が2つ並んだら、電動シリンダーで2つとも押し出してAGVに載せて搬送する。

 朝倉部長は「協働ロボットだけではなく、AGVやコンベヤーなどの搬送部分も全て含めて提案する」と話す。ロボットごとに役割がはっきりと分かれており、ロボットにどんな作業ができるか想像しやすい展示だった。

TOP