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2022.11.21

[SIerを訪ねてvol.29]最新技術で高度な自動化を/愛知産業(1/4)

システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)を紹介する本連載。今回取材した愛知産業(東京都品川区、井上博貴社長)は、海外製の先端製品を日本市場に持ち込む輸入商社でもあるSIerだ。近年高まる自動化ニーズに応え、SIer事業は急伸している。溶接装置やバイスなど輸入商社として扱う先進製品と、ロボットを組み合わせた自動化の提案が最大の強みだ。「他のSIerに対する技術提案としても魅力的なはず。広い意味での顧客に向けた提案に注力していく」と、井上社長は力を込める。

自動化やロボット化のニーズ高く

 SIerとしての愛知産業の存在感は独特だ。
 例えば、研磨作業の自動化提案。自社開発のオリジナル製品である自動倣い機能付きの研削装置「AKグラインダ」をロボットに持たせ、いわゆる「3K(きつい・汚い・危険)」である研磨作業を自動化するトータルソリューションを提案する。特に大型部材を下から上向きに研磨するなどは大変な重労働であり、自動化できる意義は大きい。

 同ソリューションへの反響は大きく、新型コロナウイルス禍でも引き合いは増加しているものの、同じくコロナ禍の影響で案件の進み自体は遅れがちでもあった。
 「しかし昨年からは需要が活発化し、研磨作業の自動化、ロボット化の案件は数年前と比べても3~4倍になっている」と井上博貴社長は語る。テストだけでも数カ月待ちが現状という。
 
 溶接分野に特に強みを持つ輸入商社として、エンドエフェクター(ロボットアーム先端に取り付ける機器)商材である米国マグスイッチのマグネットツールの採用や、他にも画像センサーの搭載など、より高度な自動化も提案できる。
 ビード(盛り上がった溶接痕)を一定の加圧力で削り落とすロボットは、今後を見据えて協働ロボットのタイプも開発しているという。加圧力が一定ならば、研磨材の摩耗も抑えられる。従来、研磨工程は自動化への移行が遅かったからこそ現在、その研究開発にも注力している。

 従来、自動化やロボット化は大企業ほど活発だったが、現在では中小企業からの引き合いも3~4倍になっているという。井上社長は、背景にあるニーズの変化、つまり人材不足や生産性向上ニーズの高まりを強く感じるという。

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