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2020.08.06

イベント

内覧会で物流自動化のトータル提案力を訴求/MUJIN(1/3)

MUJIN(東京都江東区、滝野一征最高経営責任者<CEO>)は7月28日から30日の3日間、本社併設の「MUJINロボットセンター」で内覧会を開いた。密集を防ぐため来場者を絞り、事前予約制で時間をずらして招待し、3日間合計で76社247人が来場した。

複数種類に自動で対応

混載に対応するデパレタイズシステム

 本社を現在の江東区に移したのは昨年9月で、併設のロボットセンターにロボットシステムを設置したのは今年の2月。新型コロナウイルス禍でこれまで大規模には顧客を招けず、ロボットセンターを大々的に公開するのは今回が初という。
 ロボットシステムの展示や稼動のデモンストレーションをするエリアは400㎡超で、4つのシステムを展示する。

 一つ目が、荷役台(パレット)に積まれた箱をコンベヤーに移すデパレタイズシステムだ。複数種類の箱の混載に対応する。事前の商品登録が不要なマスターレスのシステムで、カメラで箱の種類や位置を認識し、自動で荷下ろしができる。

パレットを運ぶAGV

 パレットを運ぶ無人搬送車(AGV)とも連携。床面に貼ったQRコードを読み取って自律的に走行する方式で、「最近はレーザーセンサーなどで周囲のマップを作成し、自らの位置を推定して動くSLAM(スラム)誘導式のAGVが増えている。しかし、このQRコード方式の方が立ち上げが簡単で、拡張や変更などもしやすい」と営業本部物流営業部統括の藤巻陽二朗氏は話す。

詰めて重ねたケースも把持できるロボットハンドを開発

 二つ目が、積まれたプラスチック製ケースを一つ一つ取っていく「段ばらしシステム」だ。

 右写真のようにケースを詰めて積み上げると、ケースとケースの間にロボットハンド先端の爪が入る隙間がなく、ケースを両側から挟むように持ち上げることができない。
 そこでL字型のロボットハンドを独自開発。ケースを両側から挟むのではなく、手前と左側など2面の側壁をつかむことで、ケースを把持する。

 ハンドに付いたカメラでケースの大きさを認識し、つかむ位置などを自動調整することで、さまざまなサイズのケースに1つのハンドで対応する。内覧会では、サイズの異なる3種類のケースをつかみ分けるデモを披露した。

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