生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン

2019.03.26

連載

[注目製品PickUp!Vol.10]欲しい所に手が届く、片手で運べる協働ロボ【前編】/デンソーウェーブ「COBOTTA(コボッタ)」

コンパクトな産業用ロボットは多くあるが、そのほとんどが据え付け型で、設置後はその場所で同じ作業を続ける。しかしデンソーウェーブ(愛知県阿久比町、杉戸克彦会長)の開発した協働ロボット「COBOTTA(コボッタ)」は、コントローラーを内蔵しながらも1台あたり約4kgと片手で持ち運べる驚きの軽さのため、人手の欲しい場所まで持ち運ぶことができる。従来のようにロボットを1つの場所に固定するのではなく、必要な場所に持っていく逆転の発想を形にした。初心者でも簡単に操作できるが、プロが使えば複雑で高度なシステムも構築でき、機能面でも高い自由度を持つ。今回の注目製品PickUp!ではコボッタの魅力を紹介する。

どこでも簡単、求める場所に

 自動車部品を製造するデンソーが、社内の生産性向上を目的としてロボットを開発して半世紀。そのデンソーから子会社として独立したデンソーウェーブが2015年に展示会で初披露したのが、これまでのロボットの概念を変える協働ロボット「COBOTTA(コボッタ)」だ。

 コボッタの特徴は大きく分けて
 ①人と協働するための安全設計
 ②必要な場所に持ち運べるポータブル(持ち運び)性
 ③覚えずに教えられる簡単さ(専門知識がなくてもロボットに動作を教示できる)
 ④可能性を無限に引き出せるオープンプラットフォーム

  ――の4つある。

コボッタの基本仕様

 6軸の垂直多関節ロボットでアーム長は342.5mm、可搬重量は0.5kg。本体質量は約4kgで、土台の寸法は135.64×169.8mm(幅×奥行き)。先端には専用の電動グリッパーが付く。
 従来の産業用ロボットのようにボルトで固定して使うこともできるが、台などに置いても使えるため、軽さを生かして必要な場所に持ち運べる。ロボットを1つの場所に固定する従来の産業ロボットと異なり、作業者が必要とする場所に移動させて使える。

TOP