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2021.10.04

産ロボ市場に本格参入、減速機の新ブランド立ち上げ/ニッセイ

歯車事業との相乗効果を

産業用ロボット、FA設備、サービスロボットの3分野に提案する高剛性減速機

 UXiMOブランドの減速機は産業用ロボットがメインのターゲット市場だが、半導体製造装置などのFA設備、民生や家庭向けのサービスロボット市場にも提案する。

 それに当たり同社は、産業用ロボット、FA設備、サービスロボットの分野ごとに販売戦略を立てた。
 産業用ロボット市場では競合メーカーが既に高いシェアを持つことや、入念なテストや検証が求められる。そのため、同社は採用には長い時間がかかると見越し、歯車事業との相乗効果を生かしながら、産業用ロボットメーカーに対して地道に「種まき」を続ける考えだ。岡本課長は「歯車事業では産業用ロボット向けのかさ歯車を得意としており、製造能力やノウハウには自信がある。その実績を武器に、歯車と減速機をワンストップで提案できる点をアピールしたい」と意気込む。
 顧客へ気軽に減速機を試してもらうため、今年末までサンプル品の無償提供キャンペーンも実施する。

 FA設備向けには、既存のギアモータの販売で構築した顧客ネットワークを活用する。また、サービスロボット向けではAGVメーカーなどへの拡販に力を注ぐ。

開発担当の藤田智之課長(左)と営業担当の岡本浩平課長(右)

 今年2月に高剛性減速機を開発して以来、ターゲットの3分野からそれぞれ引き合いや反響があったという。岡本課長は「開発当初はAGV向けの用途を想定していなかったが、車輪の走行軸の部分で多くの引き合いが得られた。産業用ロボット向けは想定通りで、一部のメーカーとはテストも始まった」と語る。
 まずはFA設備やAGVなどで実績を積みながら産業用ロボットの需要も開拓する考えだ。

 今年8月に発売した大口径中空タイプの高剛性減速機は、UXiMOブランド製品の第一弾。今後も第二弾、第三弾と製品ラインアップを広げると共に、生産能力の強化にも取り組む。
 「市場を徹底的にリサーチし、わが社の強みを生かすために開発、製造、営業など全社一丸となって作り上げた自信作。ロボットやAGVの市場は今後も拡大が期待されるだけに、わが社の減速機もしっかりと市場に浸透させて次の柱に育てたい」と藤田課長は話す。

(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)


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