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2025.06.13
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[注目製品PickUp! vol.85]ワークと近距離の撮像で精密作業を自動化/IDS「Ensenso Bシリーズ」

ドイツの産業用カメラメーカーのIDSは3Dカメラを開発、販売しており、欧州でトップクラスのシェアを誇る。昨年に発売した「Ensenso(エンセンソ)Bシリーズ」は、解像度が5MP(メガピクセル)のセンサーを搭載しており、認識精度に優れる。小型サイズかつ省配線との特徴もあり、垂直多関節ロボットに搭載しやすい。日本法人アイ・ディー・エス(東京都港区、ヤン・ハートマン社長)の橘麻理エリアセールス・マネージャーは「対象物(ワーク)に対して遠くからでも精度よく認識できるが、近距離ではさらに正確な3Dデータを得られ、精密な作業の自動化を実現できる」と語る。

近距離で高精度

 IDSは20年ほど前から産業用カメラを開発、販売しており、複数のレンズで物体を立体的に認識するステレオビジョン方式の3Dカメラの開発に、いち早く取り組んできた。

 昨年11月には、3Dカメラの最新モデルとして「Ensenso Bシリーズ」を発売した。センサーの解像度は5MPと一般的な産業用3Dカメラよりも性能が高く、ワークの正確な測定に役立つ。

昨年発売の「Ensenso Bシリーズ」は、特に近距離の認識精度に優れる(提供)

 同シリーズは、ワークとの距離が210mm~2000mmの広い範囲で撮像できる。この範囲内であればワークに正確に焦点を合わせられるが、近い距離の撮像では特に優れた認識精度を発揮する。ワークの深度(奥行き)の測定精度は0.1mmを誇る。

 「高精度な3Dデータを得られ、コネクターの挿入やプリント基板の外観検査など、精密さが必要な作業の自動化も実現できる」と橘マネージャーは説明する。

 また同シリーズとセットで提供するソフトウエア「Ensenso SDK」は、カメラのセットアップや位置誤差の修正などをサポートする。撮像時の明るさや撮影枚数などを事前に設定したプリセットが複数用意されており、3Dカメラの取り扱いに慣れていないユーザーでも安心して運用できる。

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