[特集FOOMA JAPAN]搬送と検査の自動化デモを披露/オムロン
多品種変量生産が進む
FA関連製品を扱うIABでは、事業コンセプトに「i-Automation!(アイ・オートメーション)」を掲げる。「i」には①intelligent(知能化)②integrated(制御の進化)③interactive(人との協調)――の3つの意味を込めた。
また、IABでは3つの成長市場として、自動車産業と電子部品産業、三品(食品、医薬品、化粧品)産業の開拓に力を注ぐ。
三品産業の一角を占める食品産業は、他の産業に比べ人手不足が際立って深刻だ。また、消費者ニーズの多様化を背景に、食品産業では多品種変量生産が進む。「板チョコレート一つ取っても、これまでは一つの品種を大量に生産すればよかった。しかし、今ではカカオや香りの違いによって多くの品種があり、個包装が主流だ。さらに、包装するフィルムや箱の色もそれぞれの品種で変わる。ラインで流れてきたチョコレート一粒一粒に対し、どのようなフィルムで包装するか、どの箱を使うかを正しく判断し、品質も担保しなければならない」と木村第3営業統括部長は指摘する。
そのため、食品産業では搬送工程をロボットへと単純に代替するだけでなく、検査工程や品質保証まで含めた自動化技術を提案する必要があるという。
前述のFOOMA JAPAN2019のデモも、i-Automation!のコンセプトや食品産業が抱えるニーズを具体化した提案と言える。
SIerとの接点を強化
食品産業では深刻な人手不足を解決する手段としてロボットの導入が期待される。需要の拡大が今後も見込まれる一方で、木村第3営業統括部長は「ロボットシステムを構築するシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)との接点の強化が課題」と分析する。
SIerの開拓のため、世界35カ所に設けた制御機器の導入事例を展示するショールーム「オートメーションセンタ」や実証施設「PoCラボ」を有効に活用する。これらの施設を生かし、ロボットと自社製品を組み合わせたオムロンならではのロボットシステムの開発をSIerと一緒に進め、今後も食品産業の顧客の自動化に貢献する考えだ。
(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)
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