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2021.02.01

ロボ制御好調で増益、通期見通しを上方修正/オムロン

第3四半期決算を説明する日戸興史執行役員専務CFO

 オムロンは1月27日、2021年3月期第3四半期(10~12月)の決算説明会をウェブで開催した。

 発表によると、第3四半期の売上高は1683億円で前年同期比0.1%増、売上総利益は同1.6%増の776億円、営業利益は同23.3%増の177億円だった。エネルギー関連の社会システム事業を除く、制御機器事業(IAB)、電子部品事業(EMC)、ヘルスケア事業(HCB)で前年同期を上回る実績だという。

 第3四半期までの累計売上高(4~12月)は同5.8%減の4696億円、売上総利益は同5%減の2139億円だった。ただし、売上総利益率を見ると45.6%で過去最高を更新。営業利益は424億円で同5.8%増益した。注力するIAB事業やHCB事業での売上げの回復、新型コロナウイルス感染症での外出自粛による交通費などの経費削減が増益につながったとみる。

 今回の第3四半期の結果を踏まえ、オムロンでは通期見通しを上方修正する。減益から一転し、営業利益では前回の見通しから40%増の560億円、当期純利益は同66.7%増の400億円。過去最高の売上総利益率の達成を見込む。
 事業部別に見ると、自動車市場の回復や中国での半導体需要の増加、新型コロナによる人手不足などで、産業用ロボットの自動化ソリューションを提供するIAB事業の上方修正が特に大きい。

 IAB事業は「知能化」「制御進化」「人と機械の新しい協調」を混ぜ合わせた独自コンセプト「i-Automation!」を基に、センサーやコントローラー、サーボシステムなど20万点以上の製品を組み合わせた制御アプリケーションを170種類以上提供する。昨年発売した「ロボット統合コントローラ」を中心に組み合わせることで、単一言語によるプログラミングで制御できるようになり、新たな価値の提供を狙う。
 「今期は厳しい状況においても増益に持ち込めたが、来期では新しい強みを核に、さらなる成長を模索したい」と執行役員副社長の宮永裕IABカンパニー社長は強調する。

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