独EMO展で発表、ハードとソフトの両面から自動化を支援/ヤマザキマザック
大手工作機械メーカーのヤマザキマザック(愛知県大口町、山崎高嗣社長)は、9月にドイツで開催された工作機械展「EMO(エモ)ハノーバー2019」で、自動化ニーズに対応する工作機械の新製品や自動化関連の新たな取り組みを数多く発表した。ハードウエアとソフトウエアの両面から顧客の自動化を支援し、高まる自動化ニーズに対応する考えだ。
「使いやすい」自動化システムを提供
工作機械が使われる金属加工の現場では深刻な人手不足を背景に、ロボットを使った自動化のニーズが高まっている。 だが、マザックで技術本部長を務める岡田聡常務執行役員は「金属加工を手掛ける顧客が、自動化システムを導入するのはそう簡単ではない。工作機械とロボットの両方を扱えるオペレーターが少ないからだ」と現状を分析する。 マザックはこうした課題を解決するため、機械構造などのハード面と、工作機械用の数値制御(NC)装置などソフト面の両方で自動化を支援する新製品をEMOで多数披露した。顧客が「使いやすい」と感じる自動化システムを提供することで、高まる自動化ニーズに応える考えだ。
機械正面をフラットに
EMOの目玉は、新型の複合加工機「INTEGREX(インテグレックス) i-Hシリーズ」。 「インテグレックス i-450H ST」「インテグレックス i-200H ST」の2機種を披露した。中でもi-450H STは、自走式ロボットや各種ストッカーで構築した独自開発の自動化セルと組み合わせ、一つの自動化システムとして展示した。 複合加工機とは、「旋削加工」と「ミーリング加工」という異なる2つの加工法を1台に集約した工作機械を指す。インテグレックスシリーズは、マザックの代名詞とも言える主力の複合加工機だ。今回新たにi-Hシリーズをラインアップに加え、EMOが開幕した19年9月16日から全世界で発売した。 i-Hシリーズの最大の特徴は、自動化ニーズに対応するための機械デザインを採用したこと。ロボットが機械の加工エリアにアクセスしやすいよう、機械正面を凹凸の少ないフラットなデザインにした。 EMOに先立って同月4日に本社で開いた記者発表では、岡田常務執行役員は「自動化システムとしても、機械単体としても使い勝手がよい」と語った。