物流の自動化システムを提案/岡谷鋼機
岡谷鋼機(C05)は無人搬送車(AGV)や無人搬送フォークリフト(AGF)などを組み合わせた物流の自動化システムを展示する(=写真)。3Dカメラを搭載したAGFが鉄製の荷役台(パレット)の形状を認識し、正確に積み上げるデモも実施している。
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岡谷鋼機(C05)は無人搬送車(AGV)や無人搬送フォークリフト(AGF)などを組み合わせた物流の自動化システムを展示する(=写真)。3Dカメラを搭載したAGFが鉄製の荷役台(パレット)の形状を認識し、正確に積み上げるデモも実施している。
スターテクノ(E52)は、ファナックの垂直多関節ロボット3台や自社開発のシート材切断機などを使ったプラスチック段ボール箱の自動組み立てシステムを展示している。切断、折り込み、接着、組み立て、溶着の5つの工程を経て、1枚のプラスチックのシート材から段ボール箱が自動的に組み立てられる。ブースでは、段ボール箱ができるまでの一連の工程を見学できる。
空圧機器や真空グリッパーを手掛けるピアブ・ジャパン(D16)は、ロボットハンドを交換するハンドチェンジャーを初披露した。ロボットの動作でハンドの接続部分を側面から差し入れるだけで取り外せる。逆の順番で動作させると装着もできる。担当者は「ハンドチェンジャーの中でも簡単な方式。真空グリッパーなどと合わせて販売拡大させたい」と意気込む。
伊東電機(D03)は、モーターを内蔵するローラー「パワーモーラ」を組み合わせて構成したコンベヤー式のソーティングシステムを展示している。作業者への負担が大きい重量物の仕分け作業を自動化できる。会場では段ボール箱の搬送や仕分け作業を実演する。伊東徹弥社長は「展示しているソーティングシステムの総消費電力量は一般的なドライヤーよりも小さく、省エネ性能に優れる」とアピールする。
台湾のTECHMAN ROBOT(テックマンロボット、D38)は、35kg可搬の協働ロボット「TM30S」を国内初披露した。「来月正式発売する予定」と台湾から来日した日本営業担当者は話す。その他、オプションの人工知能(AI)機能を利用した外観検査も提案。ロボットの動作を止めずに検査する「フライングトリガー機能」が注目を集めた。
シナノケンシ(D12)は、自律走行型搬送ロボット(AMR)「Aspina(アスピナ)AMR」を出展した。協働ロボットと組み合わせ、搬送後のワーク(対象物)の載せ換えも自動化できる。企画営業部マーケティング課の宮下秀一係長は「ワークの搬送だけでなくその後工程も自動化したいとの要望が増えているため、簡単なシステムならわが社で構築できるような体制を整えた」と話す。
空圧機器の大手メーカー、SMC(D49)は今年5月に発売した真空グリッパー「ZGSシリーズ」を出展した。段ボール箱の搬送などに向く。圧縮空気を基に吸着力を生み出すエジェクターを内蔵している。その本数を2本、4本、6本と差し替えることで、用途に合わせて吸着力を調整できる。圧縮空気の無駄使いを減らすことで、省エネルギーを実現する。
デンソーウェーブ(C01)のブースでは、製造現場で広く使われる「通い箱」に「かんばん」と呼ばれる商品管理カードを挿入するデモが見学できる。特許出願中のロボットハンドを搭載しており、通い箱の搬送からかんばんの差し替え、上ふたの設置までの幅広い作業を1台の協働ロボット「COBOTTA PRO(コボッタプロ)」が担う。担当者は「出荷作業の自動化はまだまだ進んでいない。こうした分野にも自動化提案のアプローチをかけたいと考え、今回のデモを展示した」と話す。
Mujin(ムジン、E02)グループのMujin Japanの荒瀬勇最高経営責任者(CEO)は「わが社では中部地域の売上比率が伸びており、今後一層この地域に力を入れる」と話す。今回展でも工場物流をテーマに国内初披露のシステムなどを展示し、新規顧客の開拓を目指す。「事前のコンサルティングから設備の設計、設置工事まで一貫して対応できるので、自動化を検討される際はぜひお声がけいただければ」(荒瀬CEO)。
芝浦機械(D10)は双腕の協働ロボット「RIDRS(ライダース)シリーズ」を出展している。そのうち、ヒト型のRIDRS-Hは人間でいう腰のあたりにも関節を持ち、前かがみの姿勢を取れる。片腕7軸ずつの14軸と腰の2軸を合わせ、全16軸の自由度を持つ。最新型は以前よりも動作をスムーズにした。それにより、作業工程の一連の動作にかかる時間(タクトタイム)を最大30%程度短縮できた。