2026.06.02
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[直前特集RTJ2026 vol.5] 現場の課題解決に貢献/工作機械メーカー

金属加工でも産業用ロボットや協働ロボットの使用が広がる。ロボットテクノロジージャパン(RTJ)に出展する工作機械メーカーは、工作機械と組み合わせることで製造現場の課題解決や生産性向上につながる自動化システムの提案に力を入れる。労働力不足や技能者不足のカバー、品質安定などを求め、工作機械の導入においてはもはや自動化のための付帯設備が欠かせないものになりつつある。より現場に近い来場者に向け、各社が注力する提案を紹介する。

芳賀 崇桑崎厚史:ロボットダイジェスト編集部)

ユーザーの困り事に応える

 シチズンマシナリー(長野県御代田町、伊奈秀雄社長、E06)は自動化・省力化ソリューション「FA Friendly(FAフレンドリー)」の新製品2つを中心に出展する。自動旋盤の機上に2軸構成のローダー装置を搭載した「シチズンロボットシステム オンマシンローダー」は、中部地区の営業担当の強い希望で生まれた製品だ。ワークの自動供給・搬出が可能な対向主軸複合加工チャッカー機として展示し、長時間自動運転に最適なストッカーと組み合せる。

 自動旋盤にチップコンベヤーを装着した際の上部空間を有効活用する「同タワータイプ」は後工程自動化システムで、「ワーク回収・エアブロー・収納」の基本動作を集約でき、また洗浄や計測なども選択可能だ。

新製品の「シチズンロボットシステム オンマシンローダー」
同じく新製品の「同タワータイプ」
「来場者の反応を敏感にキャッチしたい」と話すシチズンマシナリーの松川智之CS開発課長

 FA Friendlyを中心となって推進する設計部の松川智之CS開発課長は「市場の認知が広がり、引き合いも1.5倍に増えている。長年培ったわが社の自動化ノウハウを生かし、個別ニーズの標準化、パッケージ化を進める。機械の前後工程を含め『ユーザーに近い』提案に力を入れる」と語る。また社内でも機械開発へのフィードバックなどの好循環にもつながるという。

 「RTJの来場者は現場の方が多い。そこで『いいね』の声がもらえれば新製品の成功も見える。とにかく来場者の反応を敏感にキャッチしたい」(松川課長)

 FA Friendlyは、協働ロボットをカートに載せた「オンカートタイプ」でスタートした。顧客の声からニーズを探り、今回の新製品で合計6製品にラインアップを拡充している。「現状の工場レイアウトでも導入したい」「品質の安定のために自動化したい」など、ユーザーの困り事に応えるべく開発を進めている。

生産性向上につながる自動化提案

 オークマ(D03)は「『ものづくりサービス』の力で、社会に貢献する」をテーマに工作機械とロボットを組み合わせた自動化ソリューションを提案する。「安定して高精度に加工できる機械」と「誰でも簡単に使いこなせる自動化」をコンセプトとして打ち出す。ロボットを機械にビルトインした複合加工機「MULTUS(マルタス) B250ⅡARMROID(アームロイド)」などを展示する。

 ヤマザキマザック(D05)は、複合加工機「INTEGREX(インテグレックス) i-250 NEO(ネオ)」に産業用ロボットセル「Ez LOADER(イージーローダー) 125i」を組み合わせ、複雑な形状のワークにも対応可能な自動化システムを提案する。

オークマは「MULTUS B250ⅡARMROID」などを出品
ヤマザキマザックの産業用ロボットセル「Ez LOADER 125i」

 DMG森精機(E03)は「MX - マシニングトランスフォーメーション」をテーマに、労働人口減少に伴う人手不足や生産性の向上、品質安定など製造業の課題に対するさまざまなソリューションを紹介。簡単なセットアップで多品種少量生産の自動化を実現する、協働ロボットを使ったワークハンドリングシステム「Robo2Go Open(ロボツーゴーオープン)」などを出品する。

 中村留精密工業(石川県白山市、中村匠吾社長、E11)は、協働ロボットを搭載したシンプルなワーク搬送システム「RoboSync Type(ロボシンクタイプ)A」と、同じく協働ロボットを搭載したストッカー内蔵型のワーク搬送システム「RoboSync Type D」などを出品する。

DMG森精機は協働ロボットを使ったワークハンドリングシステム「Robo2Go Open」などを出品
中村留精密工業のシンプルなワーク搬送システム「RoboSync Type A」

研削加工の自動化ソリューションを共同で提案

 ジェイテクト(D40)と松本機械工業(金沢市、松本晶久社長、D43)は横並びでブースを構え、円筒研削加工の自動化ソリューションを共同で提案する。ジェイテクトの小型円筒研削盤「G1P25G」に、松本機械工業が開発したロボットシステムの新製品「Smart Terrace Adv(スマートテラス・アドバンス)」を組み合わせ、被加工物(ワーク)の着脱やケレ(ワークを回転させるのに使う補助具)の交換を自動化するデモを披露する。

 スマートテラス・アドバンスは大幅な省スペース化を図りつつも、ストッカーの収容量を拡張したのが特徴で、より多品種のワークの自動化に対応できる。設置面積は従来機の小型モデルと同等だが、ワークの最大ストック面積は小型モデルと比べて約2.6倍に向上した。松本社長は「従来機から設計を徹底的に見直したことで、省スペース化とストック面積の拡大を両立したのに加え、コストダウンも実現した」と話す。

ジェイテクトの小型円筒研削盤「G1P25G」
松本機械工業が開発した「Smart Terrace Adv」(写真は「MEX金沢2026」の同社ブースで撮影)

来場者はここに期待/加工の効率化と安定化が重要テーマ

平野工業 平野 一之 社長

 前回展では加工現場で実践できそうな自動化提案が多く、参考になりました。今回展は製造現場の省人化と品質の安定化を実現するヒントを得たいです。

 わが社は工作機械や半導体製造装置向けの部品を、1個~150個の多品種少量で受託加工しています。受注から納品まで2週間程度で対応する案件が多く、加工の効率化と安定化が重要なテーマです。

 特に、生産性を向上する上でボトルネックになっているワークの着脱作業を自動化するロボット活用の事例や、パレットチェンジャーなどの技術に注目しています。また、品質のばらつきを防ぐために、工具寿命の管理や異常を検知する人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)関連の最新技術についても情報を集めたいです。

(構成・平川一理:ロボットダイジェスト編集部)

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