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2025.11.28
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名古屋の専門展で、ロボット活用の幅広げる最新提案

今年10月、名古屋市港区のポートメッセなごやで「ロボデックス」などの専門展が開催された。製造現場の人手不足が加速する中、センサーや人工知能(AI)などロボットの自動化をより高度に実現する技術や、無人搬送車(AGV)や自律走行型搬送ロボット(AMR)とロボットを組み合わせたシステムが展示され、ロボット活用の幅をより広げる最新提案に注目が集まった。

ねじ締めのサイクルタイムを削減

3日間で約2万8000任の来場者が訪れた

 名古屋市港区のポートメッセなごやで「第8回名古屋ロボデックス」「第5回名古屋スマート物流EXPO」など合計11の専門展が開催された。10月29日~31日の3日間で約2万8000人が来場した。

エスティックは「ソケットチェンジ機構」と協働ロボットで、径の異なる2種類のねじを交互に締め付けるデモを披露

 電動ねじ締め工具メーカーのエスティックは、ねじ締結工具(ソケット)交換のサイクルタイムを削減する独自機構「ソケットチェンジ機構」を使ったねじ締めの自動化システムを展示した。

 ブースではデンマークの協働ロボットメーカー、ユニバーサルロボット(UR、日本支社=東京都港区、山根剛代表)の協働ロボットにナットランナーを持たせ、2種類のソケットを高速で交換しながら、径の異なるねじを締め付けるデモンストレーションを披露した。    

 営業本部マーケティング室の前田有紀主任は「ソケットチェンジ機構は専用のソケットを搭載しており、位相合わせなしでナットランナーと素早く締結できるのが特徴。これで、ねじ締めのサイクルタイムを大幅に削減できる」と話す。

人間の触覚情報を検出

太田廣はロボットハンドの先端に触覚センサーを取り付け、ワークを把持するデモを実施

 工業用ゴムや樹脂製品などを取り扱う商社の太田廣(名古屋市中川区、太田直実社長)は名古屋大学の大日方五郎名誉教授らと共同開発した触覚センサーを紹介した。同センサーは力加減や滑りやすさ、表面性状、温度などの人間の手が持つ触覚情報を検出できる。ロボットハンドの先端に取り付けることで対象物(ワーク)との接触状態を読み取り、適切な力加減で把持してワークの落下や破損を防ぐ。

 企画開発部の加藤信彦部長は「野菜や果物のようなやわらかい物でも傷つけずに把持できるため、今後は農作物の収穫など多彩な領域での活躍が期待できる」と語る。

ニコンはローカライザーと協働ロボットを組み合わせて計測の自動化を提案

 ニコンはレーザーを照射してその反射光を捉えることで正確な座標を計測する「ローカライザー」と、協働ロボットを組み合わせた計測の自動化ソリューションを紹介した。

 同社のローカライザーはロボットアームやワークなどに3個のリフレクターを設置すれば6自由度の計測が可能で、1秒以内に3点の計測が完了する。また、1台で複数の計測対象のあらかじめ設定した座標や実際の座標を管理でき、ロボット自身のたわみで生じる位置誤差をフィードバック機能で高精度に補正する。

 ビジョンロボティクス本部事業推進部第二営業企画課の舛谷真美子さんは「わが社のローカライザーは高速かつ確実に正確な座標を計測できるため、AGVを組み込んだような生産ラインでも活用できる」と説明する。

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