[ロボへの道も一歩からCase.1-②]ベテラン斉藤さん現わる!/サンエース編
この連載「ロボへの道も一歩から」では、産業用ロボットを初めて導入しようとする会社に記者が訪問、その課程で起きた出来事や苦労などを紹介する。何度も足を運び、ロボットの導入までを追いかける。まだ進行中の計画を取材するため、記者自身、何が起こるのか分からない。第2話はロボット導入を決意した所から始まる…
あ、自分でほとんどやる気だ!
【前回までのあらすじ】
ケース1で訪れたのは、水栓金具部品の組み立て、耐圧検査をするサンエース(岐阜県各務原市、藤田斉社長)。近年の最低賃金の値上げで産業用ロボットの導入を検討していた。そこへ今回のコロナ禍が直撃! パート従業員が出勤できないまさかの状況に。今年5月にロボット導入を決意。その際に活躍したのが、ベテラン技術者の斉藤さんだった。
<前回記事はこちらから>
ロボット導入を決めた藤田社長が最初に考えたことは、「どの部品の、どの作業を自動化するか」だった。 サンエースは多品種少量で数千品目を取り扱うが、全てが少量というわけではない。品物によってロット数や注文数には幅がある。 「ロット数の多い物に絞れば、自動化できそうだと思った」(藤田社長) そこで相談したのが、同社で生産技術を担当する斉藤さん。 40年以上も生産技術に携わってきた大ベテランで、あらゆる機械の立ち上げに携わった経験がある。その中には産業用ロボットを使うシステムも含まれる。 藤田社長とも付き合いは長く、厚い信頼を寄せている。 藤田社長からロボ導入の話を聞いて斉藤さんは答えた。 「面白いんじゃないですか」 2人で具体的なプランを考えた時、最初に決めた条件が「ロット数の多い部品に使うこと」。 また、無駄のない配置にし、コンパクトにまとめることも重視すると決めた。 産業用ロボットを導入して周りに柵を立てる場合、そのスペースで人なら3人ぐらい作業できるかも知れない。 「面積当たりの生産性で計算すると、小ロットの部品では結果的に効率を悪くすることもある」(藤田社長)