[特集 国際ロボット展vol.11]明日が最終日! 新型協働ロボとデジタルツインに注目
「2019国際ロボット展(iREX2019)」が21日まで、東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれている。今回注目を集めたのが、新型協働ロボットとデジタルツイン技術だ。ハードウエア、ソフトウエアの両面からより手間なく柔軟に使えるロボットシステムの提案が相次ぐ。また、低コストかつ短期間で立ち上げられるパッケージシステムを提案する企業も目立つ。
実際の空間と仮想空間が一致
両トレンドをけん引する1社が安川電機だ。バーチャル環境でロボットシステムが自律的に動作を計画して実際の空間で実行。その動きをデータとして収集して分析し、再計画に役立てる。「データドリブンによる自律分散型のモノづくり」と同社は表現する。画像(右下)の通り、実際の動きと仮想空間上の動きが一致する。 無人搬送車(AGV)に載せた協働ロボットや、防じん・防滴仕様の可搬質量20kgの協働ロボット「MOTOMAN(モートマン)-HC20DT」が現実空間での作業を担った。
新型協働ロボットを発表
ファナックは今回展で、新型の協働ロボット「CRX-10iA」を発表した。全体的に丸みのあるデザインで、タブレットを使って操作し、アイコンを並び替えることでプログラムを作成できる。ロボットを直接つかんで動かすダイレクトティーチングにも対応する。「家電製品はあまり説明書を読まなくても使える。それと同じように、直感的に使い方が分かる操作性にこだわった」と稲葉清典専務は話す。 もう一つの目玉が、ケーブル内装型のスポット溶接用ロボット「R-2000iD/210FH」で、非常停止時に自動で原点まで戻る機能を搭載した。仮想空間で動作をシミュレーションすることで、周囲にぶつからない原点復帰の経路を自動生成する。 「CRXはこれまでのロボットを使いなれていない人でも使いやすい。R-2000iD/210FHの原点復帰機能は、使い慣れた専門家が求める機能。それぞれ対象は異なるが、高度な技術で『使いやすさ』を追求した点は同じ」と稲葉専務は言う。