[ロボットが活躍する現場 vol.59] アルミ総合メーカーが挑む、重量物の自動搬送とは/UACJ
新規ビジネスにつなげる
そもそもなぜ市販の搬送ロボットではなく、MITRAをベースに独自開発したのか。そこには、AMRの新規事業につなげるとのUACJの戦略がある。二宮上席主幹らが所属するモビリティテクノロジーセンターは、自社の既存の技術をベースとしつつ、外部企業との協業で、事業の新領域を開拓する方針を掲げており、自動車をはじめ各モビリティーに関わる研究開発に取り組む。
その中であらゆる生産現場でニーズの高い、搬送作業の自動化に着目した。「自社工場をAMRの実証の場として活用できるのは大きなメリット。社内で検証して自動化のノウハウを蓄積し、共通の課題を持つ他社にも役立つ技術として確立したい」と二宮上席主幹は話す。
そのためAMRの足回りや制御に関する技術ではなく、搬送台車などアルミ材を活用できる周辺領域に力を注いだ。MITRA以外の足回りとも組み合わせられれば、外販も狙える。
AEX-10の開発は2024年ごろから本格的に着手し、昨年11月から現場で実運用を始めた。人手作業はAEX-10へのダイスの載せ替えのみで、搬送に関しては無人化できた。走行中は建屋内にアナウンスを流す、AEX-10搭載の回転灯を高くして有人フォークリフトからも見やすくするなど工夫し、運用面での安全性も保障した。
現場の作業者からは「搬送作業を任せられて助かっている」との声が寄せられ、また他のエリアや部署からもAEX-10を使いたいとの反応は多いという。
小山製作所では現在1台が稼働するが、今後は2台以上に増やす、ダイスの載せ替え作業の自動化も構想するなど、自動化領域のさらなる拡大を目指す。「台数を増やせば群制御も必要になり、自動化領域を広げるには当然、コストや現場のスペースの制約も強まる。今後の開発を計画的に進めスピーディーに取り組みたい」と二宮上席主幹は語る。
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