[ロボットが活躍する現場vol.26]微細加工の段取りロボを、中小が外販へ/協栄プリント技研
中小でも無人の工場稼働を
小林社長は「KPG IoTソリューションはあくまでも改善や削減の提案しかできなかった。そうではなく、より目に見える金銭的なインセンティブが必要と感じた。そこでIoTシステムとロボットを組み合わせた」と明かす。 今春からは、中小向けにIoTシステムとロボットシステムを組み合わせた「KPG スマートファクトリーソリューション」として、外部販売を本格化する。 元々、人手不足もありロボットに興味のある中小製造業は多い。実際に人件費との比較検討も盛んになっている。 いざ産業用ロボットを導入しても、加工不良を検知できないと、不良品を自動で生み続けるシステムになりかねない。そこで、加工不良を未然に防ぐIoTシステムとロボットを組み合わせることで、良品を生み続ける自動化システムとなり、大きな価値を生むと考えた。 自社にロボットシステムを導入をした際、苦悩もあったという。ロボットと工作機械の制御面で連携を取れるシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)が多くはなかった。そのため、ロボットシステムを内製した。 「数社のSIerに声をかけたが、ロボットの制御や周辺機器の製作は得意でも、結局、加工機と連携を取れない。それでは意味がない。加工の知識もあり、機械とロボットを連動させるシステムを構築できるSIerの少なさに、悩みを持つ中小製造業は多い」(小林社長)。
今後は「KPG スマートファクトリーソリューション」や、ロボットシステム単体の外販にも取り組む。 さらに社内では人工知能(AI)を活用して、IoTシステムの進化を目指す。 小林社長は「中小の高精度加工の現場でも、自動化を突き詰めれば完全無人の工場を目指せることを示したい」と意気込む。
(ロボットダイジェスト編集部 西塚将喜)
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