[進化する物流vol.6]最先端が一堂に、国際物流総合展リポート【その3】
レンゴーとのコラボで省人化ライン提案/Mujin
Mujin(ムジン、東京都江東区、滝野一征最高経営責任者)は、段ボールや包装機械などの大手メーカーのレンゴーとブースを隣り合わせ、共同で「I-Pack(アイパック)自動化ライン」を構築した。アイパックは、箱の中身の高さに応じて自動で箱の側面を折り曲げ、封かんするレンゴーのシステムだ。
箱の中の無駄なスペースを削減できるので、輸送効率を大幅に高められる。箱の高さがバラバラになるため、カゴ台車などへの自動積み込みがしにくくなるが、Mujinとのコラボレーションでこの課題を解決した。Mujinのロボットシステムが、背の高い箱を奥に置くなど箱の高さを考慮した積み付けを考え、自動で最適な動作をする。「お互いの長所を生かし、補完しあう最適な組み合わせ」とMujinの広報責任者は言う。
3方向から吸着/シュマルツ
ドイツに本社のある真空機器メーカーの日本法人、シュマルツ(横浜市都筑区、ゲッテゲンス・アーネ社長)は、段ボール箱などを3方向から吸着する「パレタイジング・デパレタイジング向け真空グリッパーシステム」を展示した。
真空グリッパーで段ボール箱を持ち上げる場合、一般的に上面を吸着する。しかし近年は、人が開封作業をしやすいように上面にミシン目が入っていたり、接着部の接着が弱い段ボール箱が増えた。そのような段ボール箱を上面のみを吸着して持ち上げると、壊れやすい。
そこで、安定性を高めるために、2つの側面を加えた3方向から把持するハンドを開発。顧客のオーダーに合わせてカスタマイズして提供する。吸着面や本体の構造などを選択でき、オプションでカメラなども搭載できる。
望月宣孝営業部長は「特に国内の物流現場では、ミシン目の入った段ボールが多い。国内で組み立てるため、短納期対応もできる」と訴求する。
(ロボットダイジェスト編集部 西塚将喜、曽根勇也)
関連記事:[進化する物流vol.4]最先端が一堂に、国際物流総合展リポート【その1】
関連記事:[連載 進化する物流vol.5]最先端が一堂に、国際物流総合展リポート【その2】
【過去の国際物流総合展 関連記事】
ベンチャーの最新搬送ロボに脚光/国際物流総合展2021(第2回INNOVATION EXPO)
愛知初の国際物流総合展がついに開幕/国際物流総合展2021
ユニークな自動倉庫や柔軟に使える搬送ロボット【その1】/国際物流総合展2020(第1回INNOVATION EXPO)
物流向けロボットに注目!/国際物流総合展2018【前編】