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2023.11.06
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[SIerを訪ねてvol.39] 見据える先にはチャレンジしかない/BRICS

時代の要請にかなう

本社は外観もおしゃれだ

 商社として設備機械を扱う際には、機械単体の販売ではなく、ロボットはじめ自動化機器を付帯する形での案件が非常に多い。  最近では、そこに「オペレーターも手配してくれるなら」との条件が付くことも増えてきた。仕事や資金、工場スペースもあるのに、オペレーター不足で設備投資できないからだ。人材不足の端的な表れといえる。  だからこそ、BRICSが目指す方向性は時代の要請にかなうものだ。  ヒトリレの次世代育成の取り組みは、小学生を対象にしたプログラミングで、義務教育で始まったプログラミング授業の塾のようなもの。ただし補習ではなく、興味関心が高い子が対象で、小型の教育用ロボットを組み立て、それを動かすためのプログラミングを学んでもらう。  「人やエンジニアの不足に対し、即効性はなくても地道に若年層を育てねばならない。将来、働き先を検討する際に、BRICSも選択肢として頭に浮かんでもらえることを期待はしている」と清水社長は笑うが、これはビジネスには全くならず、完全な社会貢献だ。  今年7月1日に新たな本社が完成した。採用も意識して福利厚生の充実に努め、外観にも気を使った。「内装はカフェを意識したデザインで、ジムも併設して『健康経営』を目指す」と清水社長は笑う。  長期的な目標は、民間による実践的な職業訓練校を作ることだが、その前の中期的な目標は、3事業部それぞれの分社化。それくらい充実させることが目標だ。  それぞれの事業の今後の目標は、ヒトリレは売上高に目くじらを立てず、静岡県東部で「転職といえばヒトリレ」との認知を得ること。  モノづくりは量産でなく特殊品が中心のままだが、「必要なものを、必要なときに、必要なだけ」供給するための体制を整えること。  エンジニアリングは、注力するCFRP製ハンドの延長で、異材接合をはじめとする新技術の開発に積極的に取り組み、ノウハウを蓄積すること。ロボットはじめ自動化案件は今後も伸長が見込めるため、技術開発で顧客満足度を上げる構えだ。  いずれも容易な目標ではない。BRICSが見据える先には「チャレンジしかない」と清水社長は意気込む。

(ロボットダイジェスト編集部 芳賀 崇)

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