[創刊特別対談]石井孝裕ロボット政策室長×久保田和雄SIer協会会長【前編】
経営者の相談相手に知ってもらう
司会 認知度向上のための具体的な取り組みを教えてください。 久保田 10月17日から東京ビッグサイトでロボット関連の大きなイベント「ワールド・ロボット・サミット(WRS)2018」と「ジャパン・ロボット・ウィーク2018」が同時開催されますが、ジャパン・ロボット・ウィークの展示会にSIer協会として12小間の大きなブースを出展します。日本地図の巨大なジオラマを使い、全国各地にどのようなSIerがいるのか紹介します。また、パンフレットを会場で配布するのですが、これを各学校にも配布したい。高校生や専門学校生、大学生などにアピールすることは重要です。SIerを一つの職種や業種として認知してもらい、将来的には就職イベントなどでも一つのカテゴリーとして扱ってもらえるようになることを目指します。 石井 認知度を高めるなら、企業の経営者が相談する相手にSIerの存在を知ってもらうことも重要ではないでしょうか。相談相手は税理士や会計士、中小企業診断士などさまざま考えられますが、自動化の設備投資には資金が必要ですから、銀行などの金融機関に相談するケースも多いと聞きます。こうした相談相手に、協会としてSIerを知ってもらうための活動をすることも一つの手です。「人手が足りなくて困っている」とか「生産性を上げたい」といった相談を受けた機関が、「それならロボットの導入を検討してはいかがですか」と提案できれば普及につながります。
久保田 各方面とつながりを持つことが重要だとは考えていましたが、金融機関と組む発想はありませんでした。確かにロボット導入には融資も必要で、銀行は助成金申請のサポートなどもしてくれます。大変良いアイデアをいただきました。 石井 ロボットの導入により取引先企業の生産性が上がるわけですから、金融機関にとっても良い話ではないかと思います。
――後編に続く (司会:編集長八角秀、記事:ロボットダイジェスト編集部)
プロフィール 経済産業省 製造産業局 産業機械課 ロボット政策室長 石井孝裕(いしい・たかひろ) 2005年3月早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了。2005年4月経済産業省入省、製造産業局参事官室配属。製造産業局自動車課課長補佐や産業技術環境局研究開発課課長補佐等を経て2018年7月より現職。東京都出身、1981年2月生まれ。 FA・ロボットシステムインテグレータ協会 会長 久保田和雄(くぼた・かずお) 1975年3月武蔵工業大学工学部卒。三明機工社長。日本ロボット工業会理事。2018年7月、FA・ロボットシステムインテグレータ協会が発足し、初代会長に就任。日本鋳造協会機材部会および国際部会役員。日本ダイカスト協会会員。静岡県出身、1952年08月31日生まれ。 関連記事:[創刊特別対談]石井孝裕ロボット政策室長×久保田和雄SIer協会会長【後編】