専門部署を発足、自動化システムの内製化を推進/鍋屋バイテック
専用機から始まり、自動注湯機やロボットに
NBKの生産設備の内製化の歴史は、今から35年ほど前までさかのぼる。プーリーの価格競争力を高める狙いでプーリー加工に特化した専用機を1990年ごろに製作したのをきっかけに、内製化の道を歩み始めた。 その後、多品種少ロットのプーリーを合理的に生産するために軸穴の径やサイズなどの各種規格の標準化を進めると同時に、品番別の加工プログラムや注湯プログラムのデータベースも構築。各品番の2次元コード(QRコード)を読み込むだけで専用の加工プログラムを呼び出したり、専用の注湯プログラムに基づいて自動注湯したりする独自のシステムも開発した。 プーリーの専用機から始まった内製化の取り組みは自動注湯機やロボットシステムにも広がり、最終的にはSI部の発足へとつながった。「労働人口は年々減少の一途をたどっている。加えて、鋳物のような伝統技術は『3K(きつい、汚い、危険)』のイメージが強く、事業継続のためには自動化が欠かせない」と谷口常務は話す。
将来は外販も
SI部には森部長代理を含めて7人のスタッフが所属する。最近はプーリーだけではなく、カップリングなどの非鋳物製品の外観検査の自動化の要望も数多く舞い込んでおり、限られた人員でいかに効率的にシステムを構築していくかが課題だ。 森部長代理は「SI部は比較的若手のスタッフも多く、現状は各部門から依頼を受けた内容に沿って自動化システムを具現化している。しかし、それだとSIerとして及第点をもらえないと考えており、今後はSI部から自発的にシステム提案ができるよう人材育成に注力したい」と意気込む。 将来は、SI部が内製した自動化システムをパッケージ化して外販する新規ビジネスも視野に入れているという。
(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)