[2023国際ロボット展リポートvol.12] 多様なニーズに応える真空ハンド・吸着パッド/シュマルツ、ピアブ、コンバム、日本ピスコ、日東工器
ハンドの受託設計サービス開始/日本ピスコ
空圧機器メーカーの日本ピスコ(長野県岡谷市、山崎清康社長)は、今年から開始したロボットハンドのユニット設計サービスをアピールした。
システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)やエンドユーザーの要望に合わせて、真空グリッパーを中心に部品や機構を組み合わせて、特定の用途向けのロボットハンドを制作する。
会場では、その一例として「段ボール組立真空グリッパ」を展示した。「真空グリッパVMG」をベースとし、その側面に段ボール箱を折り曲げるための機構などを設けた。
担当者は「展示したこのロボットハンドが欲しいとの声ももらった。最初は個別設計だが、一定のニーズがありそうであれば、標準化してカタログ製品にする」と今後の方向性を話す。
吸着パッドメーカー以外からの真空ポンプ参入/日東工器
日東工器は来年2月に発売予定の新製品「小型ポンプ内蔵電動吸着ハンド e-VEE」を発表した。新製品は内蔵した真空ポンプで負圧を発生させる電動吸着ハンド。真空ハンドや吸着パッドのメーカーではこのような製品も少なくないが、それ以外からの参入は珍しい。
新製品とロボットとの接続部は、ねじ込み式の取り付けフランジか、コスメック(神戸市西区、木村公治社長)製の手動式ハンドチェンジャーに対応する。また、電源のみで稼働できるため、圧縮空気のホースの取り回しがなく、接続が簡単にできる。
対象物(ワーク)と接する吸着パッドには、同じ東京都大田区に本社を置くコンバムの製品を採用した。同社の幅広い製品を装着して使える。
担当者は「バリ取りなどに使う作業工具『ベルトン』などのロボット対応を進めてきた。その中で、バリ取りをするワークもロボットで搬送したいなどの顧客の声があり開発した」と狙いを明かす。
(西塚将喜、斉藤安紀)

