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2023.09.12
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3社合同展で、移動双腕ロボが自ら充電/THK、SMC、ハーモニック・ドライブ・システムズ

自動化も、結局は人材

初日には3社の社長が鼎談

 初日にはTHKの寺町彰博社長とSMCの高田芳樹社長、ハーモニック・ドライブ・システムズの長井啓社長が鼎談(ていだん)した。  テーマは「最先端の自動化」。しかし、「新しい自動化機器を創造して、システム構築し、実装するのは人間。そのような人たちは、どれだけ自動化が進んでも必要」(寺町社長)などと、人材採用と育成の大切さが話題の中心となった。  実際に会期2日目には、特設ステージで就活生向けの会社説明会や、先輩社員座談会なども開かれた。また、各社がブースの一角に、就活生向けに会社の特徴を解説するパネルなどを設けた。

協働ロボ向けにより軽く

ハーモニック・ドライブ・システムズの「CSF-ULWシリーズ」を使った4軸の多関節ロボット

 各社の展示でも、最新製品の機能や省エネ性能などをアピールした。  ハーモニック・ドライブ・システムズは減速機の「超軽量・扁平(へんぺい)ユニットCSF-ULWシリーズ」を使った4軸の多関節ロボットを展示した。従来製品に比べて、重さを最大半分程度に抑えた。  担当者は「ロボットの先端近くに内蔵される減速機が軽いほど、ロボットの全体の加速度や可搬質量を上げられる。モーター出力が低い協働ロボットでは、減速機が軽量になる効果が大きい」と話す。  さらに軽量で薄い「CSD-ULW」も参考出展した。「今年度中の発売を目指す」(同)という。

使わない時は減らす

SMCのエアマネジメントシステムは、空気の供給量を6割以上減らした実例も

 SMCは「エアマネジメントシステム」を提案。工場内や設備の空気配管の途中に専用のモニタリング装置を組み込む。  空気の流量などを監視し、生産停止など設備が待機状態と判断すると、空気の供給量を減らして減圧する。空気の流量が戻ると、稼働の再開と判断して供給量を戻す。  空気の供給量を6割以上減らした実例もあるという。  コンプレッサーの稼働時間を削減でき、省エネにつながる。  「コンプレッサーの消費電力は工場全体の2割とも言われる。その稼働を、いかに効率良く最適化するか。それが、空気圧機器メーカーの使命だろう」と担当者は話す。

まるで人の手指

まるで人の手のようなTHKの「PRS-A」

 THKは、さまざまな物品をピッキングするために開発したロボットハンド「PRS-A」を展示した。  4つの指に3関節ずつで計12関節を持つ。軽量で小さな対象物は人が指先でつまむような動きで把持する。反対に大きな対象物は、人が手でわしづかみするような動きで固定する。  ピッキングする対象物の形状を制御ソフトウエアに登録するだけで、形状に合わせた指の動きを自動で生成する。  「人に近い動きをするため、今の作業環境を大きく変えずに自動化できる。今まで作業者が作業していた棚やケースからも対象物を取り出しやすい」と担当者はアピールする。

(ロボットダイジェスト編集部 西塚将喜)

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