[新連載 進化する物流vol.1]物流の変革期に、過去最大の規模で／国際物流総合展 北條英 事務局長
大きな変革期
――物流業界もいろいろと変化が求められるタイミングですね。 他にも、ビッグデータの活用やデジタルトランスフォーメーション（DX）の進展など、物流業界は今まさに大きな変革期を迎えています。パレットサイズの標準化や、パレット上の荷物を途中で別のパレットに載せ替えない「一貫パレチゼーション」などの取り組みも、今後進むでしょう。さらには、「フィジカルインターネット」構想も実現に向けた取り組みが進んでいます。 ――フィジカルインターネットとは？ インターネットでは「パケット（小包）」と呼ばれる単位にデータを分割することで、伝送路を意識することなく複数人で回線を共有しながら自在にデータをやり取りできます。それと同様に、トラックの荷台や倉庫の保管スペースなどを複数企業でシェアし、物の運送、配送を最適化しようという構想です。また、JILSでは今年から、「メタ・ロジスティクス」という概念を提唱し始めました。地球環境にも配慮した持続可能な物流をいかに実現するか、それを企業の経営課題にいかに落とし込むか、そういったことを含む新たな概念です。 ――目まぐるしい変化ですね。積極的に情報収集していないと、浦島太郎のようにあっという間に時代に取り残されそうです。 そうですね。だからこそ、情報の収集や交換のため多くの方々に国際物流総合展に来場してほしいです。物流はあらゆる産業に関係していますので、直接物流業界や業務に携わる人以外にも、ぜひ来てもらえればと思います。これまで他業界向けだった製品やサービスを物流向けに展開するといった新規参入も活発で、会場で新規事業のアイデアが見つかるかもしれません。また学生の就職活動ではメーカーや商社に目が行きがちですが、物流業界や荷主の物流部門にも優秀な学生が活躍できる場がたくさんありますので、学生も大歓迎です。
――講演やセミナーなども充実していますね。 会期中は毎日講演やパネルディスカッションがあり、出展者によるプレゼンテーションセミナーは100を超えます。企画展示も用意しています。とはいえ、遠方で来られない方、コロナ禍で出張が難しい方も少なくないと思います。そこで、８月１日～９月30日まで「バーチャル物流展」を開催中です。リアルやオンラインで出展者と来場者が情報交換やビジネス交流をすることで、現場の課題解決のヒントを見つけていただければと思います。
（聞き手・ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也）
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