[特別企画 新ロボット展 in 愛知 vol.3]ロボの目と選べるスキルで誰でも簡単に/東京エレクトロンデバイス
ドラムや縦型洗濯機を簡単に仕分け
すでに導入も始まっている。リサイクル工場では、廃棄された洗濯機の仕分け作業に採用された。 洗濯機はコンテナ内に複数の層で乱雑に積み上げられた状態で工場に到着する。そこから縦型やドラム式など洗濯機の種類別に荷下ろしをし、仕分けする。搬送メーカーや製造時期でさまざまな形状やサイズがあり、従来のビジョンシステムでは対応が難しかった。重さのある洗濯機だが、人手で仕分けていた。 そこで、トリマスをベースにしたロボットシステムを導入した。 プロジェクターを使い、特殊なパターン光を対象物に投影する。そのパターンをカメラで撮像して3次元情報を取得し、洗濯機の種類や積まれた状態をAIなどで解析。ピッキングに必要な座標情報をロボットに出力し、ピッキングして縦型やドラム式などに仕分けする。洗濯機の形状や積み方などの情報登録が不要で、導入コストも運用コストも抑制できた。 また、ピッキングや仕分け作業以外にも応用が進む。部品に接着剤を塗布し、組み付けをして測定検査までを1台のロボットで担うシステムを開発中だ。 複数の光学機器を組み合わせて、画像処理の技術を駆使し、事前の形状登録なしでさまざまな形状の部品に対応する。トリマスの「ピッキング」、「認識・計測・検査」、「仕分け」の全ての機能を応用した。
トリマスを実機で
こうした採用実績も出始めて、販売促進を加速させようとした矢先に、今回の新型コロナウイルス禍に見舞われた。 「一般的に東京エレクトロンデバイスは技術商社として認知されている。既存事業の顧客層と異なる工場や物流現場へ、新たにロボットシステムを訴求していく必要があるが、コロナ禍では新規顧客に接触しにくく機会が限定された。そのため優れたソリューションがあっても、そもそも気付いてもらえていない」(神本本部長)。 そこで新規顧客の開拓と直接ニーズを聞く機会を求めて、展示会への出展を模索した。情報収集を進めてRTJ2022を見つけ出し、いち早く出展を決めた。 神本本部長は「生産現場や物流現場に特化したロボットと自動化の展示会との位置づけが、われわれの訴求したい点とぴったり合致した。リアルの展示会ではやはり、実機の展示が人の目を引く。従来は作業者にしかできなかった複雑な作業から人を解放するために、トリマスを使った提案を会場で披露したい」と意気込む。
(ロボットダイジェスト編集部 西塚将喜)
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