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2019.11.21
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[注目製品PickUp! vol.19]同業者も驚く特殊構造で、いろんな物を吸着する【後編】/妙徳「バルーンハンドSGBシリーズ」

開発には、SIerを助けたい思いも

吸着パッド部分を指で押すと、こんなにくい込む

 開発時には、「不定形物の多数ある現場でも、交換せずに使い続けられるロボットハンド」とテーマを置いた。そこにはシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)を助けたい思いもあった。  対象物に合わせてロボットハンドを交換するシステムだと、構築の手間が増える。対象物を特定の角度でしか把持できないハンドなら、その角度までロボット本体を動かすためのシステム構築が要る。そこで「なんでも、どのような表面でも吸着するハンド」を究極の目標に置いた。  「ロボットは、届いた製品を箱から出したらすぐに使える、というものではない。当然、システム構築が要る。システム構築を簡単にし、システム構築を担うSIerを楽にしないと、ロボット導入は進まない」(国松営業部長)。

箱の角の部分でも、吸着する

 現在ラインアップするサイズは、吸着部分の直径が20mmの「SGB-20」と同30mmの「SGB-30」の2種類。  ロボットハンドに対しては近年、小型化の要望が強いという。SGBシリーズでも、より小さい物を持ち上げられる、小さいタイプを求める声がある。そこで、吸着部分の直径が10mmの「SGB-10」の開発も進める。

iREXでは、次世代の真空発生器を披露

2016年に設けたテストルーム

 同社の売上比率では、ロボット向けはまだ1割強。同社は、ロボット関連事業を今後の成長分野と見ており、販売拡大に力を入れる。例えば、近年の新製品のうち、約9割がロボット向けという。  また16年には、本社1階に産業用ロボットを複数台置いたテストルームを設けた。ロボットハンドの吸着テストなどに使う。

国際ロボット展2019で、「次世代の真空発生器を提案したい」と国松孝行営業部長

 今年12月の「2019国際ロボット展」(iREX2019)では、SGBシリーズに加え、新たなコンセプトのコンバムも参考出展する予定だ。コンセプトは「見せる機器部品」。ロボットに付属することを前提に、デザイン性に優れた製品を開発した。デザインは外部の工業デザイナーに依頼。モノのインターネット(IoT)対応のため、各種センサーも搭載する。  国松営業部長は「コンバムを開発した企業として、真空発生器の次世代の姿を見せたい」と意気込む。

(ロボットダイジェスト編集部 西塚将喜)

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