AI×双腕ロボットで粉をはかる作業を自動化/エクサウィザーズ、カワダロボティクス
多品種少量に対応
今回開発したシステムの大きな特徴の一つが、生産性の高さだ。 「シングルアームのロボットでは、作業時間が人の1.5倍ほどかかったが、双腕のネクステージを使うことで所要時間を30%短縮し、人とほぼ同じレベルになった」と直野氏は言う。 片方のアームで瓶をつかみ、もう片方のアームでそのフタを回して開けるなど、人と同様に作業ができる。粉体が入った容器を手元に持ってくる、秤量後の容器を排出するなど、一連の工程を自動でできる。 「シングルアームで同様の作業をしようとすると、フタ開けユニットなどさまざまな周辺機器が必要になるが、双腕のネクステージにすることで、システムの構成もシンプルにできた」とカワダロボティクス技術部の寺崎清SIグループ係長は言う。ネクステージを使うことで、設置スペースも約1.5m×1.5mとコンパクトに抑えられた。
薬さじやすり切り棒が複数あれば、複数種類の粉を扱える。粉体秤量を自動化する場合、従来は専用機を使用することが多かったが、「粉体の種類を変えるたびにホッパー(漏斗状の容器)まで含めた洗浄が必要で、手間が掛かっていた。このシステムなら多品種少量にも対応しやすい」とエクサウィザーズの直野氏は言う。 研究室の研究員などは賃金水準も高く、秤量のような単純作業は自動化したいとのニーズが高いという。「既に引き合いもいただいている。これまでは研究開発の側面も強かったが、今後はAIを使ったシステムの社会実装を進めていく」(直野氏)。 同システムの提供開始は、2023年1月を予定する。
(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)