テックマンの代理店に、SIerとしての強み生かす／レステックス
パレタイズなどのパッケージシステムを提案
――販売戦略を教えてください。 パレタイジングを一つの切り口にしたいと思っています。テックマンのパッケージシステムの一つに「TMパレタイジングオペレーター」という製品があります。パレット（荷役台）への荷物の積み付けや荷降ろしを自動化するシステムです。TMロボットにはビジョンセンサーは標準で付いていますが、それに加えて吸着ハンドや昇降式の架台、パレットを検出するセンサー、専用のソフトウエアなどをセットにしたものです。デモ用にパレタイジングオペレーターを購入し、未来のひろばに常設展示しています。 ――パレタイジングに焦点を当てる理由は？ パレタイジングなど物流関係の自動化需要が活況というのもありますが、パッケージ化されていて使いやすいので、これまでロボットを使ったことがないユーザー企業の初めてのロボット導入にも最適だと思います。さらに、パッケージシステム専用のソフトウエアで動かすだけでなく、普通のTMロボットとしても操作が可能ですので、このシステムでロボットに慣れれば、その先の自動化も検討しやすくなります。また、提案しやすく手離れも良いので、販売やシステム構築を担うパートナー企業にとってもメリットがあります。来年１月より、パレタイズに適した20kg可搬のTMロボットが発売されますので、積極的に提案していきます。
――ロボットの新規ユーザーを開拓するわけですね。 物流関係はロボットに不慣れなユーザーが多く、どこに連絡してどのようにすればロボットを導入できるのか、よく分からない人も多いと思います。そこで、物流系のユーザーを抱える物流資材などの会社とコラボレーションできないか、検討しています。そういった企業がオプションとして協働型パレタイザーを提案できれば、ユーザーはロボットを導入しやすくなり、物流資材の会社も新たな商材を得られます。
――パッケージシステムと言えば、独自のシステムも開発していますね。 架台やハンドをセットにした「TM-REXシリーズ」のことですね。似たような架台はよくありますが、高さの調節機構などSIerとして細かいところまで気を使って独自に設計しました。キャスターと固定脚が付いており、移動させる時はキャスターを、稼働させる時は固定脚を接地させます。固定脚が付いた十字の土台には伸縮機構があるため、伸ばした状態で固定すれば安定性をより高められます。 ――その架台も御社が販売する商品ですか？ 実は「別メーカーのロボットを載せたいので、その架台だけ売ってくれないか」とよく言われます。しかしレステックスは架台メーカーではないので、協働ロボットとセットでのみ販売しています。TM-REXも手離れがよく販売しやすいシステムですので、この商材で多数の販売実績があるパートナーも既にいます。われわれは、商社ではなくあくまで技術者集団です。「ロボットをたくさん買うからとにかくコストを下げてくれ」と言うだけなら、卸売りのプロから買う方が良いかもしれません。自動車で言えば、われわれはカーディーラーではなく「全員がメカニックの頑固なプロショップ」のようなものです。さまざまな形でわれわれの技術も提供しながら、パートナーと共にテックマンの協働ロボットを普及していければと思います。
（ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也）
この記事を読んだ方へのオススメ記事
産業用ロボットに関する基礎知識 BASIC KNOWLEDGE
ロボットダイジェストのパートナーメディア「月刊生産財マーケティング」。工作機械や関連機器のマーケティング誌で、最新技術やメーカー各社の販売戦略、分析記事など、ものづくりに携わる方々に有益な情報が満載です。2025年６月号の特集は「競争軸はデジタル技術へ～決め手になるのはソフト機能～」です。電子版も販売しております。詳しくは当欄の下部から。
