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2024.03.04

連載

[ショールーム探訪vol.21]パッケージの強みを体感/レステックス「未来のひろば」

台湾の協働ロボットメーカー、テックマン・ロボットの代理店を務めるレステックス(千葉県松戸市、斉藤圭司社長)は2023年10月、本社併設のショールーム「未来のひろば」を拡張し、リニューアルオープンした。以前と比べて床面積が約2倍となったショールームでは、TM-Robot(ロボット)を使った複数のデモシステムが常時並ぶ。駅から2分というアクセスのしやすさも魅力だ。

ヒントが集まる「ひろば」

 レステックスはシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)機能がある1次代理店で、テックマンロボットのTM Robotを販売し、導入をサポートする。レステックスが運営する「未来のひろば」は、複数のロボットシステムを常時展示し、TM Robotの動作検証ができるショールームだ。
 20年のオープン時は協働ロボットをデモ展示するフロアのみだったが、23年にフロアを拡張し、ロボットのアプリケーション(使い方)の開発や検証、ロボットシステムの調整を行う「ラボゾーン」を増設した。リニューアル後は床面積が約2倍になった。
 従来からのショールーム部分は白で統一された空間だが、ラボゾーンはグレーを基調とした空間で、雰囲気が異なる。「きれいなところからしかきれいなものは生まれない」という信条のもと、デザインにもこだわっている。

  • リニューアルしたショールーム

  • 整備工場のピットエリアをイメージした「ラボゾーン」

AIを利用したカメラシステム

 未来のひろばに入って気づくのが、全てのロボットアームの先端に小型カメラが搭載されていること。TMロボットはカメラを標準搭載する。そしてそのメリットがよく分かるのが、この「ねじ外観検査」のデモ機だ。アーム先端のカメラで撮影した画像を人工知能(AI)が認識し、製品のOK・NGの判定をする。ヒートマップが赤くなっている部分が、AIが注目して判別している部分だ。形状や傷を見分けて合否の判定を出す。

 テックマンロボット製のAIシステムは製品データを外部サーバーに送信せずに使えるため、セキュリティー面での信頼度が高いのが特徴だ。 AIに学習させるためのトレーニングサーバーなどを契約することで、AI機能を利用できる。画像を登録し、使用者がOK・NGの判定をする中でAIが基準を学習し、自動判別の精度が向上するという。

 数あるロボットメーカーの中でもテックマンロボットを選んだ理由の一つは、テックマンロボットの親会社が台湾のPCメーカーのクアンタ・コンピュータであること。「自社でAIサーバーなどを開発している会社で、ロボットへのAIの搭載が早く、ぜひ使ってみたいと思った」と斉藤圭司社長(=写真)は語る。カメラに加え、AIまでロボットにあらかじめ搭載されているため、システム構築が容易で多様な作業に使いやすい。

  • ヒートマップが赤くなっている部分がAIが注目して判別している部分

  • AIの判別テストを説明する斉藤社長

実際にティーチングを体験

実際にロボットに触れて違いを体感できる

 未来のひろばでは従来のTMシリーズに加え、23年発売の新シリーズ「TM Sシリーズ」も展示している。新シリーズのSシリーズは従来機に比べより安全機能が充実し、従来のモデルより俊敏に動く。Sシリーズの最大可搬質量は5kg~25kg。アームを直接手で持って動かすダイレクトティーチングの動作が軽く、滑らかになったということで、記者も体験させてもらった。

 Sシリーズと従来シリーズに外見の違いはほとんどないが、実際に動かしてみると滑らかさが違うことが分かる。Sシリーズは、より軽い力でアームを動かせることができ、直観的に操作ができた。その他の操作感や可搬質量のラインアップにも違いがあるため、2つのモデルをショールームで比べてほしいという。

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