2022.02.18
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[特集 国際ロボット展vol.1]得手に帆を揚げよ

間もなく国際ロボット展

前回展の「2019国際ロボット展」(=写真)はコロナ禍前の開催だった

 「自動化をするかしないか」を議論する時代は終わり、「どこなら自動化できるか、どこまで自動化できるか」を検討する時代に入った。ニーズの高まりに呼応して、技術革新も活発だ。最も顕著な例が、AIとの融合だろう。AI機能が展示会だけの「見せ球」ではなく、実用品として現場に導入され始めた。これまでロボットは、あらかじめ動作プログラムの入力が必要で、量産品の製造や搬送などに使われることが多かった。AIで状況に合わせた判断や動作が可能になったことで、少量多品種、あるいは一品ものの自動化も現実味を帯びてきた。AIの他にも、さまざまな技術を持つパートナーと連携するなどして斬新なソリューションを提案する企業は多い。  新型コロナウイルス禍の影響は気になるものの、追い風が吹くこのタイミングで、3月9日~12日に世界最大級のロボット展示会「2022国際ロボット展(iREX2022)」が開催予定だ(2月15日時点)。今回の特集では、出展社の中でも、従来の自動化の壁を突破した企業、つまりは「一歩進んだ課題解決を提案する企業」を取り上げる。

本体から周辺機器まで

 今回の国際ロボット展直前特集は、vol.1~vol.10までの全10本の記事で構成する。開催前週の3月4日まで、順次公開していく。  「vol.2」で今回展の概要を紹介した後、「vol.3」では川崎重工業の高木登執行役員ロボットディビジョン長への特別インタビューを掲載する。同社は産業用ロボットで培った技術を基に、さまざまなソリューションの提供を目指す。 また、急速な市場拡大が見込まれる中、今後のボトルネックになりかねないのがシステムインテグレーション(SI)人材の不足だ。そこで「vol.4」では、FA・ロボットシステムインテグレータ協会の柳原一清人材育成分科会主査(ヤナギハラメカックス社長)にSI人材の育成について話を聞いた。「vol.5」と「vol.6」では、特に自動化提案が活発な分野として「金属加工」と「物流・マテハン」をピックアップ。今回展で提案する最新の製品やシステムなどを紹介する。  3月に入ってからは「vol.7」以降を掲載予定だ。「vol.7」では、特別インタビューの2本目として、セイコーエプソンの内藤恵二郎執行役員MS事業部長に話を聞いた。同社はロボットを核に、製造現場の課題解決に注力する。「vol.8」から「vol.10」では、国際ロボット展に出展するロボットメーカーや商社、周辺機器メーカーの目玉展示を一足早く紹介する。  「得手に帆を揚げる」ということわざがある。自らの得意分野で絶好の機会に恵まれ、ここぞとばかりに張り切って力を発揮することだ。ロボットや自動化機器の業界は、まさにこの状況にある。強烈な追い風が吹き、その風をとらえるための帆も準備万端だ。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

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