注目製品PICK UP!

　同社は20年に、本社併設のショールーム「コグネックスラボ」を開設した。アラインサイトを使ったシステムは２つ展示している。 　一つ目が、穴が２つ開いた部品を持ち上げ、２本のピンが付いた部品の上に置くデモシステム。三菱電機の垂直多関節ロボットとアラインサイトを組み合わせてシステムを構築した。 　このシステムでは、あらかじめ基本動作は入力してあるが、デモを始める前に穴の開いた部品も、ピンが付いた部品も、位置と角度をランダムで変化させる。アラインサイトが各部品の位置や角度を読み取り、即座にプログラムの座標を補正。位置や角度を合わせてロボットが穴の開いた部品を取りに行き、ピンの位置や角度に合わせて穴の開いた部品を置く。４mmの穴に3.9mmのピンを挿入する、精密な作業だ。 　また同システムを使い、部品を登録する作業も紹介する。現物を撮影することで外周の輪郭と穴やピンを認識させ、覚えさせることができる。

　もう一つは、アラインサイトの他、バーコード読み取り専用の「DataMan(データマン)」や、３次元（D）ビジョンシステム「3D-A5000」、人工知能（AI）技術の一種である深層学習（ディープラーニング）機能を備えたビジョンシステム「In-sight（インサイト）D900 」など、コグネックスのさまざまな製品を組み合わせたシステムだ。 　アラインサイトはヤマハ発動機のスカラロボットに搭載。ベルトコンベヤー上を流れてくる樹脂部品を認識し、別のコンベヤーに移す作業を担う。特別難しい作業ではないが、ヤマハ発動機のスカラロボットに搭載することで、メーカーを問わず使えることや、垂直多関節ロボット以外にも使えることをアピールする。

　「日本の製造業は位置決め用のジグ（補助具）の高度な技術を持っていたため、海外と比べてビジョンシステムの普及が遅れたが、少量多品種生産の自動化を進めるにはビジョンシステムが不可欠。アラインサイトならロボットシステムに簡単に組み込めるので、ぜひ試してもらえれば」と磯部シニアマネジャーは言う。 （ロボットダイジェスト編集デスク　曽根勇也） 関連記事：[注目製品PickUp! vol.36]産ロボ特化で簡単立ち上げ・高コスパ【前編】／コグネックス「AlignSight」