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2019.04.19
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世界最大規模の見本市! 最先端の自動化技術とは?/ハノーバーメッセ2019【後編】

周辺機器の展示も

ストロークの長さが特徴の、シュンクの協働ロボット用2本爪グリッパー「コ・アクト EGL-C」

 ロボットそのものに加え、ロボットの周辺機器の展示も多く見られた。  ドイツに本社を置くロボット用ハンドメーカーのシュンクは、協働ロボット用の2本爪グリッパーの新製品「Co-act(コ・アクト) EGL-C」を披露した。  最大の特徴はストロークの長さで、片爪当たり最大で42.5mm可動する。把握力も最大450N(ニュートン、約46kg)で、従来品に比べ3倍以上だ。最大で2.25kgの物体を持てる。  そのため従来品と比較して、より幅広い形状の物体をつかむことができる。今年末の販売を目指す。

シュマルツが出展した小型真空発生器「ECBPM」

 また、ドイツに本社を置く真空機器メーカー、シュマルツは、可搬質量3kg程度の小型協働ロボット向けの真空発生器「ECBPM」を出展した。  真空を発生させるには通常、圧縮空気を生み出す配線と電気配線がそれぞれ必要だが、ECBPMは電気配線だけで圧縮空気を生成でき、省配線や省エネを実現する。

注目集めた「空飛ぶじゅうたん」

ベッコフオートメーションの「Xプラナー」

 自動化技術に関する提案ではこの他、ドイツの制御機器メーカー、ベッコフオートメーションが披露したリニア搬送システム「XPlanar(プラナー)」が来場者の注目を集めた。  Xプラナーは、大量のコイルが内蔵されたベースプレートと、搬送物を載せるマグネットシートで構成される。コイルが生み出す電磁場の力を使ってマグネットシートを宙に浮かせるため、ベースプレートとマグネットシートは接触することがない。摩耗の心配がなく、クリーンな環境でも使用できる。  マグネットシートはベースプレート上を自由に動き回る。ベースプレートは1枚当たり240mm四方で高さは67mmで、複数のベースプレートを任意に配置できるため、現場のレイアウトに合った柔軟な搬送システムを構築できるのが特徴だ。ベースプレートは壁にも天井にも取り付けられる。  日本法人(横浜市中区)の川野俊充社長は「まるで『空飛ぶじゅうたん』のように材料を搬送できる。電子部品や食品、薬品の搬送などでの用途を見込む」と説明する。

――終わり (ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)

※「月刊生産財マーケティング2019年5月号」でもハノーバーメッセの概要をお伝えしています。 関連記事:世界最大規模の見本市! 最先端の自動化技術とは?/ハノーバーメッセ2019【前編】

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