[特集 ロボットテクノロジージャパンvol.6]工機到来! 見どころは「ロボ×工作機械」
板金の自動化も
切削加工や研削加工だけではなく、板金加工の分野でも自動化のニーズは大きい。今回展では、板金加工の自動化に焦点を当てた展示も期待できそうだ。 アマダ(C-53)は全自動曲げ加工システム「EG-6013AR」を出展する。曲げ加工は板金加工の中でも特に熟練の技能が要求され、自動化が遅れているとされる。これに対し、同システムは曲げ加工だけではなく、段取り作業や曲げ角度の補正も自動化でき、高精度な加工を実現できるのが特徴だ。 ドイツの板金加工機メーカー、トルンプの日本法人(横浜市緑区、フォルカー・ヤコブセン社長、C-36)は自動アーク溶接機「TruArc Weld(トルアーク・ウエルド) 1000」を展示する。協働ロボットを使った溶接自動化のパッケージシステムで、溶接する場所や条件を選ぶだけで簡単に自動化ができる。
独自の切り口で
この他、さまざまな工作機械メーカーが独自の切り口で自動化ソリューションを披露する。 牧野フライス製作所(C-30)は製造支援モバイルロボット「iAssist(アイアシスト)」を提案。多関節ロボットが搭載された自律走行型の無人搬送車がワークや工具の工程間搬送などを担う。現状の設備レイアウトを変更しなくても、自動化システムを柔軟に構築できる。 スギノマシン(富山県魚津市、杉野良暁社長、D-14)は自社開発のスイングアーム式コネクテッドロボット「CRb020H4」を展示する。スリムな構造を採用し、狭い空間でも稼働できるのが特徴だ。最大可搬質量は20kgで、比較的大型のワークの搬送にも力を発揮する。 中村留精密工業(石川県白山市、中村匠吾社長、C-32)は、パレタイジングストッカーの新製品「箱兵衛Link(リンク)」を初披露する。洗浄機ユニットも搭載して「箱兵衛+」として紹介する。ワークの洗浄を自動化する他、パレット自体もそのまま次工程に搬送できるため、現場の負担を軽減できる。 工程集約や品質の安定化を実現する工作機械製品を展示するメーカーも多い。 安田工業(岡山県里庄町、安田拓人社長、C-14)は、自社製ロータリーテーブルを搭載した5軸マイクロセンタ「YMC 430 Ver.Ⅲ+RT10」を出展する。機内洗浄や機上計測も可能で、追い込み加工まで含めて機上からワークを下ろすことなく高精度加工ができる。 ジェイテクト(C-35)はCNC円筒研削盤の新シリーズ「G1シリーズ」を初出展する。高い品質と生産性を追求したシリーズで、顧客の仕様要求に合わせて複数のタイプをそろえる。搬送システムもパッケージ化し、「良品を出し続ける止まらないシステム」を提案する。 岡本工作機械製作所(C-41)は全自動平面研削システム「PSG63CA3-SELF(セルフ)」を紹介。協働ロボットや機上計測技術などを駆使し、平面研削加工を自動化する。同社は単に自動化だけを推進するのではなく、作業者が平面研削盤を操作するケースとロボットで自動化するケースの両方を想定して提案する。 ナガセインテグレックス(岐阜県関市、長瀬幸泰社長、D-27)は研削加工支援アプリ「GRINDROID(グラインドロイド)」を出展する。ワークの材質や要求される幾何精度、表面粗さ、加工時間などを入力すると、同社が独自に提唱する「加工の十大要素」に基づいて推奨条件を提示する仕組みだ。 工作機械メーカーでありながら、最近はSIer事業にも力を注ぐ豊和工業(B-26)。今回展ではSIerゾーンに出展し、協働ロボットを使ったパッケージ仕様の自動化システムをアピールする。段取り替えの自動化などを通じ、生産効率の向上や品質の安定化を訴求する。
(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)
関連記事:[特集ロボットテクノロジージャパン vol.1]中部で最大、今年度最大 6月30日にいよいよ開幕! 関連記事:[特集ロボットテクノロジージャパン vol.2]世界に誇れるロボット産業拠点/大村秀章愛知県知事インタビュー 関連記事:[特集ロボットテクノロジージャパン vol.3]新時代は愛知から/①ファナック 関連記事:[特集ロボットテクノロジージャパン vol.3]新時代は愛知から/②安川電機 関連記事:[特集ロボットテクノロジージャパン vol.4]地元の雄とベンチャーは、何を見せる?/デンソーウェーブ、Mujin 関連記事:[特集ロボットテクノロジージャパン vol.5]協業の結晶をリアルでPR/スターテクノ 関連記事:[特集ロボットテクノロジージャパン vol.6]工機到来! 見どころは「ロボ×工作機械」 関連記事:[特集ロボットテクノロジージャパン vol.7]これを見に行く 自動化への意欲高く、運用しやすさに注目 関連記事:[特集ロボットテクノロジージャパン vol.8]RTJに行こう!