【特集】[集結! 自動化の最新提案vol.5]ハンドメーカーは新機能の「一手」続々と
「ヤモリの手」を再現 /シュンク・ジャパン
ドイツに本社のあるロボットの周辺機器メーカーの日本法人、シュンク・ジャパン(東京都品川区、谷本昌信社長)は、ヤモリの手を模したグリッパー「PressGrip(プレスグリップ)」を年内に発売する。垂直な壁も登れるヤモリの手は、分子と分子の間に働く「分子間力」で物に張り付く。ヤモリの手足表面の微細な構造を再現。国内では2月の展示会で初披露した。
電気やエアを使用せず、対象物に押し当てるだけで把持できる。従来の真空吸着ハンドでは把持しにくかった、薄膜のフィルムや微小な電子部品を扱える。また、食品の梱包資材やガラスなど、滑りやすい物にも対応。電力を消費せず、省エネにもつながる。
協働向けやマルチなハンドを発売/鍋屋バイテック
鍋屋バイテック(岐阜県関市、岡本友二郎社長)は、ドイツの機械部品メーカー、ツィマーグループの総代理店で、グリッパーも扱う。鍋屋バイテックは、導入のハードルの低さから協働ロボットの需要が拡大するとみており、国内向けラインアップを強化する。
昨年「電動2爪平行グリッパHRC-03」を発売。主要メーカー8社の協働ロボットに合わせて、それぞれ仕様を変えて型番を用意する。そのため、初心者も簡単に扱える。
ロボットからグリッパーへの電源供給が停止しても、機械式のロックにより把持物が落下しない。把持力は最大190Nで、4段階に設定できる。人の近くでも使う協働ロボットのグリッパーなので、安全に配慮して丸みを帯びたデザインにした。