[ロボットが活躍する現場 vol.59] アルミ総合メーカーが挑む、重量物の自動搬送とは/UACJ
アルミ総合メーカーとして世界トップクラスのシェアを誇るUACJは、昨年11月に工場内の重量物の搬送作業を自動化した。1個当たりの質量が100kg以上のダイス(金型)を、保管場所から屋外を通って別の棟まで運ぶ必要があり、人手から自律搬送ロボット(AMR)に置き換えた。ダイスを載せる部分などは独自に設計し、その素材にアルミを使うなど、同社の強みを生かしたAMRで作業負荷の低減を図る。
重量物の搬送が頻繁に
UACJはアルミ圧延品の生産量が国内トップシェアを誇り、世界でもトップクラスのアルミ総合メーカーだ。圧延品以外にも幅広いアルミ製品を手掛けており、栃木県小山市にある小山製作所は、自動車や二輪車向けの押出成形品などの製造を担う。
押出成形は円柱状のアルミ材を加熱し、ダイスに押し付けることで目的の形状に加工する。ここで使うダイスの搬送作業を自動化するために、昨年11月にAMRを開発、導入した。
ダイスの保管場所から、ダイスの洗浄用の棟までの搬送作業をAMRで自動化した。加工に使った後のダイスは、表面に付着したアルミを化学薬品で除去しなければならない。その洗浄棟が、ダイスの保管場所から片道で175m離れた位置にある。
従来は作業者がハンドリフトで搬送していたが、成形品の生産量が多くダイスの種類も多岐にわたるため、搬送の頻度が高いとの課題があった。
「小山製作所の作業分析をしたところ、搬送作業に膨大な時間が割かれていた。作業者をより付加価値の高い作業に配置できるよう、自動化に着手した」とマーケティング・技術本部モビリティテクノロジーセンターの二宮淳司上席主幹は語る。
ダイスの保管場所から洗浄棟へは屋外を経由することになり、周辺を歩行者や自動車も通ることから、AMRを運用する環境としての難度は高い。だが同社は丹念な現場実証や他社との協業を通じ、これらのハードルを巧みにクリアした。

