[ロボットが活躍する現場 vol.57]3台1組のロボットチームがきつい作業を肩代わり/伊藤製作所
伊藤製作所(大阪府東大阪市、伊藤雄一社長)は自動車に使われる部品の組み付けに3台の6軸垂直多関節ロボットを活用する。人の手で長時間作業し続けると指先に大きな負担がかかる問題があったが、自動化したことでその問題を解決した。システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)でなく、伊藤裕之相談役自らが自動化システムを構築し、試行錯誤を重ねて使いやすさを高めた。
3台のロボが連携して組み付け
ガイド部品は樹脂製部品とゴム製部品、金属製プレートの3パーツで構成される。手前に設置された1台のロボットと奥に設置された2台のロボットで組み付け作業をする。作業の流れは、まずシステム上部のカメラでトレーに置かれたパーツの位置を認識し、手前のロボットがトレーから各パーツをピッキングしてテーブルに置く。パーツがすべてテーブルに置かれたらテーブルが自動で回転して、奥にいる2台のロボットにパーツを渡す。
奥にいるロボットのうち1台が樹脂製部品をゴム製部品に組み付ける。その組み付けた部品をロボット2台がかりでプレートに組み付ける。最後に完成したガイド部品をロボットがベルトコンベヤーに移し、完成品を入れるコンテナに搬送する。
この自動化システムの中で一番の肝となるのが、樹脂製・ゴム製部品とプレートを組み付ける作業だ。プレートには穴が開いており、ゴム製部品にはケーブルを通す円筒がある。円筒をプレート上の穴に挿し込む際に、円筒の根元にある脱落防止の返しも通す必要がある。そこで、片方のロボットが樹脂製・ゴム製部品に載せた後にプレートを押さえ、もう片方のロボットが円筒部をつまんで回しながら引っ張り上げることで返しの部分も穴に通せるようにした。
「返しを穴に通すのは力が必要な作業のため、人の手で作業し続けると指先に大きな負担がかかる。そのため連続で2時間ほどしかできない作業だった」と伊藤相談役は言う。ロボットを使うと1時間当たりの組み付け数量は人に劣るものの、作業にかけられる時間の長さで補える。
ロボットが部品をトレーからピッキングする工程にも工夫がちりばめられている。カメラが部品を認識しやすくなるよう、トレーにはパーツを並べる位置や向きがプリントされたシートが敷かれている。また、万が一本来と違う向きでピッキングした場合でも、いったんテーブルに置いた後、部品の下からピッキングして手首を返すことで元の向きに戻せるようにした。

