[特集 物流機器は新世代へvol.6]物の流れを止めないためにマテハンで重要なこと/オークラ輸送機
コロナ禍で物流の重要度が増す
オークラ輸送機は、コンベヤーなどマテハン機器の標準品の製造や販売と、生産現場向けの個別システム構築、物流現場向けの個別システム構築の3つが事業の大きな柱だ。
この5年ほど、個別案件では物流現場向けと食品業界の工場内物流の受注が多い。大庫専務は「今回の新型コロナウイルス禍で、さらに勢いを増した印象もある」と話す。
コロナ禍で物流や、家庭向けの加工食品の需要は非常に高まった。一般的には、企業は景気の低迷期に設備投資を抑制する。しかし、それらの分野ではコロナ禍以前からあった計画が、中止にならずに進行したことからも、その勢いを実感する。
自社ロボットでパッケージ化
その中で同社は、専用機やロボットなどを使ったパッケージシステムの提案レパートリーを増やしている。
パレタイズの工程では、以前からあった専用機に加え、自社開発した垂直多関節ロボットを使った「ロボットパレタイザ」シリーズを展開する。幅広い種類の搬送物に対応できるのが特徴で、食品や飲料を中心に幅広い業種で導入実績がある。
例えば、アルコール飲料の工場だ。アルコール飲料の工場では、ビールやサワーが入ったたるをロボットがパレットに積み下ろす。たるは形状や容量が商品ブランドごとに異なる。また、商品を充填(じゅうてん)して出荷する中身が入ったたるだけでなく、再利用のために飲食店や酒屋から返却された空だるも扱う。
さまざまなたるに対応する必要があったため、顧客はロボットパレタイザの汎用性の高さを評価して導入を決めたという。