2026.01.09
★お気に入り登録

【ロボット関連3団体:新年のごあいさつ】日本ロボット工業会 橋本康彦 会長

 皆さま、明けましておめでとうございます。
 日本ロボット工業会の橋本でございます。

 年頭にあたり、日本ロボット工業会、製造科学技術センター、そして日本ロボットシステムインテグレータ協会3団体を代表し、ご挨拶を申し上げますとともに、日頃よりご支援、ご厚情を賜っております経済産業省並びに関係機関、そして会員各位に対し厚く御礼申し上げます。

 先ず、昨年末に、ロボット業界にとっての最大イベントでもある「2025国際ロボット展」を開催し、その出展社数に加え来場者数は過去最大となる15万6千人余りの方々にご来場をいただき、盛会裏に終了することが出来ました。当業界の2026年に向けての力強い応援となりました。本展示会の開催にご指導、ご支援を賜りました経済産業省はじめ関係諸団体、そして出展各社の皆さまに対し心より御礼申し上げます。

 また、昨年は我が国での開催が20年ぶりとなった「大阪・関西万博」が約半年間の会期を経て盛会裏に閉幕したほか、我が国初の女性総理・高市政権の誕生、さらにはノーベル・化学賞及び生理学・医学賞の2部門で日本人が同時受賞といった期待や希望での話題がありました。

 一方、直近の国際通貨基金による世界経済の見通しでは、昨年が3.2%の伸びであったのに対し、今年は、不確実性の長期化や保護主義と分断化の拡大等により3.1%に鈍化するとの観測がなされています。

 このような状況の下、昨年2025年の我が国のロボット産業は、世界経済の諸リスクや米国関税政策での不透明感のなかでも、受注額で対前年比19.9%増の9,980億円、生産額では19.7%増の9,350億円となることが見込まれ、当初見通しを大きく上回ることとなりました。

 そして、今年のロボット市場におきましても、先のIMFの観測による保護主義の拡大等での懸念材料はあるものの、AIへの大規模投資による半導体や電子機器への需要回復が見られるなど、根強い自動化投資需要の回復をベースに、受注額では対前年比3.2%増の1兆300億円、そして生産額は6.9%増の1兆円と、ロボット業界にとって非常に明るい見通しを立てております。加えて、新政権による政策効果、世界的なフィジカルAIへの関心の高まりから、この見通し以上の回復を期待するところです。

 次に、3団体の今年の活動についてご紹介申し上げます。
 先ず、日本ロボット工業会では、業界活性化のさらなる推進に向け、昨年に引き続き以下の3点を重点項目として取り組む所存です。
 第一は「市場拡大に向けた取組」です。
 ロボットの市場拡大に向けては、省力化投資支援等の施策を通じた普及に加え、国際ロボット展の裏年にあたるに本年12月2日~4日の3日間、関西のインテックス大阪において新たな展示会「RoboNxt(ロボネクスト)」の第1回を開催し、西日本のユーザー層にもアプローチをすることとしています。特に本展は、AI・ロボティクスなど技術革新のスピードに対応するため、最新テクノロジーの発信とともに、次世代を担うスタートアップ・ベンチャー企業や若手人材が集える場をイメージし、そのテーマを「ロボットをもっと身近に、そして未来(あす)へ」として、未来に向けて人とロボットが共に歩んでいく展示会にしたいと考えています。本展の開催により日本ロボットシステムインテグレータ協会はじめ、関係ユーザー団体との連携を通じて一層の市場拡大に努めてまいります。

 第二は「イノベーションの加速化に向けた産学連携の推進」です。
 ロボット分野における国際競争は益々激化しておりますが、昨年、高市新内閣において「国家戦略技術」が創設され、経済安全保障上の重要性が高い6分野技術の一つに、「AI・先端ロボット」が盛り込まれました。当業界としても、我が国の優位性確保や潜在市場の顕在化に向け、日本ロボット学会をはじめ関係学会及び関連業界とのより一層の連携を通じて、ロボット・イノベーションの加速化を進めることとします。

 第三は「国際標準化の推進、国際協調・協力の推進」です。
 国際標準については、引き続き我が国も官民挙げての戦略的な取り組みが重要です。特に、ロボットの国際標準を審議しているISO/TC299では、そのプレナリー会議をはじめ、各ワーキンググループ(WG)が各国で開催されることとなっていますが、その一つである「産業用ロボットの安全性」を審議するWG3については当会正会員のIDEC社がホストとなり5月に大阪で開催されることとなっています。このほか、海外開催の会議にも積極的に委員派遣を行い、ロボットのリーディングカントリーとして引き続き積極的に取り組むこととしております。また、国際ロボット連盟を通じた活動並びに国際交流を積極的に推進していく所存です。

 そして、先程申し上げた12月開催のRoboNext展に加え、6月10日~12日にかけ「第27回実装プロセステクノロジー展」を東京ビッグサイトで開催します。両展示会を通じて技術情報の発信とともに、様々な分野へのロボット利活用拡大への意欲を喚起することに加え、市場調査、技術振興等の各事業を意欲的に展開する所存です。

 

 次に、製造科学技術センターです。
 製造科学技術センターでは、ロボット、IoT、「ものづくり」などにおける製造科学技術の調査研究や標準化に取り組んでおります。
 ロボットや「ものづくり」の関係では、人とロボットの力や情報の相互作用を加味する革新的な協業形態である「合業(ごうぎょう)」を提唱し、新生産手法の確立を目指しているほか、将来のロボットのエンドエフェクターの国際標準化について、一昨年よりISOのワーキンググループに参加しております。また、AIエージェントを用いた新たな現場の革新方式の検討を始めました。
 次に、オートメーション関連では、企業間の生産システムの連携手法や、経営情報・現場情報に加え、脱炭素情報を含めた製造の見える化・自動化・モデル化、クラウドを活用した中小企業における工場のIoT化促進などの活動を実施しています。
 来年度は、メーカーとユーザーが連携して、これらの研究会・WG横断的な取組みを本格化します。
 また、標準化では、スマート製造及びデータスペースに関わる産業データ連携の標準を扱うISO/TC184のSC4の関係では、3次元CADデータの規格群の改定作業を、また、SC5では、環境関連の業界横断評価を行うための共通辞書作りを中心に規格開発を推進しております。なお、昨年は長崎でのSC4総会を通じて多くの貢献をいたしました。
 このように、製造科学技術センターは、我が国の「ものづくり」の横断的な課題に応えつつ、企業の競争力と活力の創成に努めます。

 最後に、日本ロボットシステムインテグレータ協会です。
 日本ロボットシステムインテグレータ協会は、「ネットワークの構築」「事業基盤の強化」「専門性の高度化」「認知度向上」といったキーワードをかかげ活動を行っております。
 本年は昨年より準備して参りました、ロボットSI検定のリニューアルを実施いたします。検定3級、2級、1級を正式に開始し、厚生労働省の認定を目指します。そして、タイにおける検定試験も正式に開始し検定試験の国際展開を進めます。
 また、ロボット安全特別教育の対象、内容、実施方法などに関する検証を進めておりますが、本年は安全特別教育制度に関する提案をとりまとめたいと考えております。
 さらに、「フィジカルAI」の時代を迎え、ROSのようなオープンソースプラットフォームの利用やAIの活用、ヒューマノイドロボットの開発の急進展などロボットシステムインテグレーションを取り巻く環境は大きな変化を迎えつつあります。このような動きに対応すべく、新たなロボットシステムインテグレーションに向けた調査・検討も進めていきたいと考えております。
 その他、各種展示会への出展、ロボットアイデア甲子園の開催、全国各地10か所でのSIer’s Dayの開催、技術セミナーの開催、各種講座の開催、ロボットSI検定の運営、経営基盤強化のための活動などを引き続き行い、ロボット産業及びロボットSI産業の発展のために活動を行ってまいります。

 以上、3団体の取組をご紹介申し上げました。

 最後となりますが、今年の干支は「午(うま)」ですが、干支の中でも、馬は前向きなエネルギー・成功・繁栄のシンボルとして親しまれており、是非、そのような一年となりますよう、本年も引き続き関係各位の一層のご支援とご協力をお願い申し上げますとともに、皆さまのご活躍とご発展を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。
 有難うございました。

同じ企業の記事

>>今年の受注見通しは6%増の8700億円/日本ロボット工業会

>>新会長に安川電機、小笠原浩社長が就任/日本ロボット工業会

>>19年ロボット受注額は前年比16.2%減の8064億円/日本ロボット工業会

>>産ロボ出荷額5%減も年間最高ペース維持/日本ロボット工業会

>>10-12月の産ロボ受注額17.7%減も年間では過去最高/日本ロボット工業会

>>2019年の受注額は前年比2.3%減の見通し/日本ロボット工業会

>>4‐6月の産ロボ受注額16.5%減、鈍化傾向が長期化/日本ロボット工業会

>>4-6月の産ロボ受注額9.9%減。コロナ禍も中国は復調/日本ロボット工業会

>>7~9月期、国内市場や機械加工向けは好調/日本ロボット工業会

>>7―9月の産ロボ受注額は0.6%増加も、不安定な市況続く/日本ロボット工業会

>>10~12月の産ロボ受注額0.3%減/日本ロボット工業会

>>1~3月の産ロボ受注額は6期ぶりに増加/日本ロボット工業会

>>コロナ禍でのロボット活用事例を紹介/日本ロボット工業会

>>10ー12月の産ロボ受注は過去最高額。年間も前年比増加/日本ロボット工業会

>>産ロボ受注は2期連続で過去最高額を更新。中国の力強さ際立つ/日本ロボット工業会 1ー3月期の四半期統計

>>コロナ禍も受注額は前年比増の8588億円/日本ロボット工業会 2020年統計

>>受注と生産で過去最高額。出荷は海外向けが8割超/日本ロボット工業会

>>受注は前年同期比24.3%増加も、部材不足の不安残る/日本ロボット工業会

>>10-12月の産ロボ受注額は3.9%増、年間も前年から大きく増加/日本ロボット工業会

>>四半期での受注額・生産額は過去最高に/日本ロボット工業会

>>創立50周年記念セミナーを6月中旬に開催/日本ロボット工業会

>>受注額が初の1兆円超え、生産額も過去最高/日本ロボット工業会 2021年統計

>>四半期の生産額が過去最高を更新/日本ロボット工業会

>>創立50周年記念シンポジウムを13日・14日に開催/日本ロボット工業会

>>創立50周年記念式典を開催/日本ロボット工業会

>>四半期での生産額と出荷額、出荷台数が過去最高を更新/日本ロボット工業会

>>2022年10-12月の生産額は3.4%増、年間は受注・生産ともに過去最高/日本ロボット工業会

>>1-3月の産ロボ受注額は18.9%減少、生産額は0.3%増加/日本ロボット工業会

>>生産額は初の1兆円超え。今年は受注減も生産額は増加の見通し/日本ロボット工業会

>>受注額は過去最高、生産額も初の1兆円超え/日本ロボット工業会 2022年統計

>>生産額8.8%減で11四半期ぶりに前年同期を下回る/日本ロボット工業会

>>7-9月の産ロボ受注額、減少傾向が継続/日本ロボット工業会

>>23年の受注額・生産額、ともに前年を大きく下回る/日本ロボット工業会

>>[連載・RTJをもっと知ろう vol.2]会期中に4つのセミナー。聴講後の商談はお早めに

>>第1四半期の生産額、下落率が過去10年で最大に/日本ロボット工業会

>>受注額と生産額、ともに前年を大幅に下回る/日本ロボット工業会 2023年統計

>>川崎重工の橋本社長が新会長に、24年受注額は8600億円からの上振れを期待/日本ロボット工業会

>>18社共同で「第2回物流DX会議」を8月23日に開催

>>産ロボ受注に復調の兆し、受注額は1~3月期比で13.7%増/日本ロボット工業会

>>7~9月の産ロボ受注額が8四半期ぶりに前年同期比増に/日本ロボット工業会

>>受注額が大幅回復、生産額は7四半期ぶりに増加/日本ロボット工業会

>>受注額、受注台数ともに3四半期連続で増加/日本ロボット工業会

>>国内出荷額が2年ぶりに増加/日本ロボット工業会 2024年統計

>>国際ロボット展など市場拡大に取り組む/日本ロボット工業会

>>産ロボ受注額、受注台数ともに4四半期連続で前年同期比増に/日本ロボット工業会

★お気に入り登録

BASIC KNOWLEDGE