[ショールーム探訪 vol.40] 見学から導入まで一貫で支援/パーソナック 本社ショールーム
ロボットダイジェストの記者が、読者に代わってショールームを訪問する連載企画「ショールーム探訪」。40回目は、自動車関連をはじめとした製造業向けの人材派遣や製造請負を主力とするパーソナック(津市、鈴木昇社長)が2025年1月に開設した協働ロボットのショールームを紹介する。ショールーム内には、台湾のテックマンロボットの協働ロボットを使った自動化システムなどを展示している。また、パーソナックはショールームの見学から協働ロボットの導入までをスムーズに進められる体制も整え、顧客が安心して自動化に取り組める環境作りにも注力する。
知ってもらう場に
イメージを持てるよう工夫
本社1階のエントランスに入ると、中国に本社を置くPudu Robotics(プードゥーロボティクス)の配膳ロボット「KettyBot(ケティボット)」がショールームの入り口まで案内してくれた。ショールームに足を踏み入れると、テックマンロボットの協働ロボットを使った3種類の自動化システムの展示が見られる。左から順に最大可搬質量12kg、7kg、5kgの協働ロボットがそれぞれ「段ボール箱のパレタイジング(積み付け)」「ばら積みピック&プレース」「人工知能(AI)を用いた良品と不良品の仕分け」のデモを披露する。さらに奥にはセイコーエプソンの水平多関節(スカラ)ロボットを使ったピッキングシステムも展示する。
ロボット事業部統括責任者の東出健一さんは「テックマンの協働ロボットは、プログラムの流れが視覚的に理解しやすく、ティーチングも簡単なため、初めてロボットを扱う人でも操作しやすい。加えて、ビジョンセンサーと付属のランドマーク(認識用マーク)を使えば位置補正が簡単にできるため、細かな位置調整も必要ない。これらの特徴から、初めて協働ロボットを導入する企業でも扱いやすいと考え、テックマンのロボットを展示のメインに選んだ」と話す。
協働ロボットを派遣
来場者がショールームで協働ロボットを見て「すぐに導入したい」と思っても、初期費用の高さなどから社内承認や決裁に時間がかかるのが課題だ。これに対してパーソナックが提案するのが、1カ月単位で協働ロボットを貸し出す「ロボット派遣サービス」だ。協働ロボットを時給1500円から貸し出し、時間外労働や休日労働による割り増しは発生しない。さらに、ロボットハンドの設計やプログラミングにも別費用で対応する。これで、顧客は高額な初期投資をしなくても協働ロボットを導入でき、運用を開始できる。
鈴木社長は「一般的なロボットレンタルサービスと異なり、ロボットが稼働しない休日には料金が発生しないため、無駄なコストを抑えられる」と語る。
同社はこうしたサービスを通じ、ショールームの見学から協働ロボットの導入までをスムーズに進められる体制を整え、顧客が安心して自動化に取り組める環境作りに注力している。また、同社はテックマンロボットの協働ロボットやPudu Roboticsの配膳ロボットのプログラミングを体験できる講習会もショールームで開催している。鈴木社長は「ショールームをきっかけに多くの人に協働ロボットを身近に感じてもらい、三重県から人とロボットが共に働く未来を実現したい」と力強く語る。
(ロボットダイジェスト編集部 山中寛貴)
[取材記者より]
ショールームで協働ロボットを実際に見学しても、初期費用の高さなどを理由になかなか導入に踏み切れない企業は多い。しかし、「ロボット派遣サービス」を利用すれば、気軽に協働ロボットを導入できる。見学から導入までを一貫して支援する体制が整うパーソナックのショールームは、協働ロボットの普及を力強くけん引するだろう。
施設概要
所在地:三重県津市あのつ台1-6-8
見学予約についてはウェブサイトの問い合わせフォームから

