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2024.04.23

FAに特化したゾーンを設置、協働ロボットの提案目立つ/第50回ジャンボびっくり見本市

ジャンボびっくり見本市協催委員会は4月12日と13日の2日間「第50回ジャンボびっくり見本市 大阪会場」を大阪市住之江区のインテックス大阪で開催した。同展示会は、電設資材や情報設備、住宅設備などの総合見本市。ファクトリーオートメーション(FA=工場の自動化)設備の紹介に特化したゾーンも設けられ、協働ロボットを使った自動化の提案が目立った。

協ロボによる多彩なソリューションを提案

主催者展示エリアでは、協働ロボットを中心に据えた自働化の提案が多く見られた

 主催者展示エリアの「FAゾーン スマートファクトリー」では協働ロボットを中心とした自動化システムの展示が数多く見られた。
 ユニバーサルロボット(UR、日本支社=東京都港区、山根剛代表)の協働ロボットとカナダのロボットハンドメーカーのRobotiq(ロボティック)のグリッパー、オムロンの無人搬送ロボット、3次元センサー「Gocator(ゴケーター)」を組み合わせ、製品の受け取りや検査、払い出しの作業を自動化するデモを披露した。
 担当者は「いきなり全ての作業を自動化するのは難しいため、まずは人と共存した部分的な自動化の導入を提案していきたい」と話す。

 他にも、URの協働ロボットと中国に本社を置くビジョンシステムメーカーのMech-Mind(メックマインド、東京都港区、楊培社長)の産業用3Dカメラを組み合わせたばら積みピッキングの展示なども見られた。

周辺機器にも熱視線

簡易の検査装置もあわせて展示し、検査AIソフトをPRした

 ロボットや検査などの分野ごとに小さな展示スペースをまとめた「FAゾーン コンセプトスタンド」では、ロボットメーカーや周辺機器メーカーなど25社が多種多様な製品を展示した。人工知能(AI)を使った製品検査ソフトウエアを開発するMENOU(メノウ、東京都品川区、西本励照最高経営責任者)は、検査AIの開発ツール「メノウ-TE」と検査AIの運用ツール「メノウ-RN」を出展し、来場者の注目を集めた。
 マウス操作のみで目視検査に関する複雑な設定ができる。AI検査の出力結果にさらに条件を加えられ、従来の外観検査と同様の条件で異常判定が可能。
 担当者は「検査用のカメラやプログラマブル・ロジック・コントローラーと簡単に接続でき、現場への導入がしやすい」とアピールする。

人の稼働状況も把握

マットスイッチを踏むと人がそこに乗った回数や乗った時間をカウントできる

 電設資材商社である因幡電機産業は複数の部署がそれぞれブースを構え、産機カンパニーIoT推進課は、生産ラインに後付けで導入できるツールとして、現場監視機器「チョコ停ウォッチャーmini(ミニ)」や、「シグナルウォッチャー」などを展示した。

 チョコ停ウォッチャーミニは製造現場の搬送ラインなどの様子を常に録画し、チョコ停(トラブルによる短時間の稼働停止)が発生したら、発生前後の映像を自動で保存する。チョコ停の原因特定に役立つ機器だ。シグナルウォッチャーは、積層表示灯に取り付けたセンサーで点灯状態をモニタリングする。シグナルウォッチャーの通信範囲を拡大する中継器「I/Oホッパー」もあわせて展示した。

 会場では人が踏んだら反応するマットスイッチとI/Oホッパーを組み合わせ、所定の位置で人が何時間稼働したのかモニタリングするシステムを展示した。「機械の稼働状況のモニタリングは一般的になりつつあるが、人の稼働時間についてはあまり目を向けられていない。簡単に後付けでき、費用もリーズナブルなので導入のハードルは低い」とIoT推進課の脇濱義樹課長はいう。

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