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2022.09.27

連載

[進化する物流vol.5]最先端が一堂に、国際物流総合展リポート【その2】

9月13日~16日の4日間、都内の東京ビッグサイトでアジア最大級の物流専門展「国際物流総合展2022」が開かれた。526社・2597小間と過去最大規模で開催され、6万人超が来場した。国際物流総合展リポートの「その2」では、会場で見つけた次世代型のピッキングシステムを中心に紹介する。

普及するGTP方式

 出荷する製品のピッキング(集荷)作業は、いま最も自動化提案が熱い分野と言える。従来は倉庫の保管棚の間を人が歩き回って商品を集める方式が一般的だったが、人のところに商品が運ばれる「グッズ・トゥ・パーソン(GTP)」方式の導入が進む。作業者はピッキングステーションで待っていれば、無人搬送車(AGV)などの機器が商品を運んで来てくれる。
 国際物流総合展リポートの「その1」で紹介した「スカイポッド」もその一種だが、他にも会場では次世代型のピッキングシステムが多数披露された。

マイナス25度でも稼働/村田機械

「ALPHABOT(アルファボット)」の実演展示のため、広大な規模で出展した村田機械

 村田機械(京都市伏見区、村田大介社長)は保管棚とAGVを組み合わせた3Dロボット倉庫システム「ALPHABOT(アルファボット)」を実演した。
 AGVの「BOT(ボット)」が保管した荷物をピッキングステーションまで搬送する。ボットが専用棚の中にある通路を単独で上下前後に移動して、目的の荷物が入ったコンテナの前まで自走する。マイナス25度まで稼働でき、冷凍食品なども扱える。昇降動作時に蓄電するため、充電不要で稼働を続けられる。

 「自動倉庫と比べて拡張性が高く、リスクの回避にもなる。自動倉庫が故障すると、装置全体を止めて点検する必要がある。しかし、アルファボットでは、故障するのはAGVで、故障機を取り除くだけで業務を継続できる」と担当者はアピールする。

業界や規模を問わない/オートストアシステム

「国内での知名度が高まってきた」と話す鴨弘司社長

 近年、国内でも導入事例が増えているのが、ロボット自動倉庫「オートストア」だ。ノルウェーのオートストアが開発・製造する製品で、国際物流総合展には日本法人のオートストアシステム(東京都中央区、鴨弘司社長)が出展した。
 オートストアは、搬送ロボットが保管スペースの上部を走行し、上から垂直に樹脂コンテナを出し入れするシステムだ。棚と棚の間の通路が要らないため、コンテナを高密度に保管できる。
 「国内でも50件の導入実績があり、知名度は高まってきたが『小規模~中規模のシステムで部品保管などに使うもの』というイメージが強い。しかし『Router(ラウター)』という新たな制御ソフトウエアにより、数百台のロボットが稼働し、数十万コンテナを保管する巨大なシステムまで効率的に制御できるようになった。業界や規模を問わず使えるシステムだと知ってほしい」と鴨社長は話す。
 同社はノルウェーにテスト施設「イノベーションハブ」を所有し、冷蔵温度帯に加え、来年には冷凍温度帯にも対応予定だ。

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