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2020.04.01

[特別企画 新ロボット展 in 2020年愛知vol.7]立ち上げまでの負担軽く/FUJI

7月2~4日に愛知県常滑市の愛知県国際展示場(アイチ・スカイ・エキスポ)で、産業用ロボット・自動化システムの展示会「ROBOT TECHNOLOGY JAPAN(ロボットテクノロジージャパン、RTJ)」が開かれる。同展に出展するFUJIは、産業用ロボット「SmartWing(スマートウィング)を展示予定だ。導入時のシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)の負担を軽減できるとアピールする。

注)新型コロナウイルスの感染拡大を考慮し、「ロボットテクノロジージャパン2020」は開催中止となりました(4月13日修正)

専門知識が要らない簡単設定

スマートウィングの前に立つFUJIの藤田政利技術部長

 電子部品を基板に装着する実装機の製造で高いシェアを持つFUJIは、5軸の多関節ロボット「SmartWing(スマートウィング)」を披露する。最大可搬質量は2kgで、小物部品の搬送や仕分けに力を発揮する。
 「操作設定のしやすさ、導入のしやすさが最大の特徴」と藤田政利技術部長。「自動化システムを立ち上げるSIerへの負担を減らすことができる」と強調する。

 一般的なロボットはティーチングペンダントで細かな動きまで覚えさせる。しかしその場合、扱う製品や作業の変更ごとに専門的な知識が必要だ。一方、スマートウィングは、アームの可動領域内の座標値を設定し、基本的な作業内容を選択するだけで、動きを変更できる。

手首のカメラは標準搭載

 また、ロボット単体ではなく、標準的な周辺機器をセットにした「ロボセル」を用意するなど、導入してすぐに使えるようにした。
 最近ではオプションで、複数のコネクターをトレイに整列するのに適切な「トレイ移載ロボセル」や基盤などのハンダ付けができるヘッドを取り付けたタイプもある。

 会場では、SIerと協力して自動車産業向けに製作したハンダ付けのできる「ロボセル」を紹介する。

サブスクで購入からシミュソフトまで

FUJIのe-Sysの概要図

 ロボット開発の他に、新たに力を入れるのが、製品選定とシミュレーションを1つのシステム内でできるようにした「e-Sys(イーシス)」だ。仮想空間上で構築する「デジタルツイン」とロボットや機器を選定できる「マーケット」の2つを合わせた基盤(プラットフォーム)で、SIerがより簡単に自動化システムを立ち上げられる環境を用意する。

 イーシスを使えば、シミュレーションソフトウエアを購入することなく3次元モデルを作成、ロボットと周辺機器の連動した動きを確認できる。現在は、システムに製品を掲載する協力企業を増やすことに注力し、4月から試験的にスタート。定額制(サブスクリプション)でサービスを提供する予定だ。RTJでも、イーシスで構築したロボットシステムを展示し、シミュレーションと装置が同じ動きをする姿を見せる。
 RTJにはSIer専用の出展ゾーンがあり、その他にも多くのSIerの来場が見込まれる。それだけに、SIerを意識した提案は注目を集めそうだ。

(ロボットダイジェスト編集部 渡部隆寛)


※この記事の再編集版はロボットテクノロジージャパンの公式サイトや、「月刊生産財マーケティング」4月号でもお読みいただけます。

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