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2021.10.20

[特集MECT2021 vol.4]工作機械とロボット、どう組み合わせる?

工作機械や工場自動化(ファクトリーオートメーション=FA)の展示会「メカトロテックジャパン(MECT)2021」。「特集vol.4」からは、会場で見つけた自動化・ロボット提案を紹介する。同展では会場内の至る所で、工作機械とロボットを組み合わせた展示を見ることができる。自走式や手押し台車に乗せたロボットアーム、ロボットを上に載せた機械など、さまざまな自動化の方法が提案されている。

手押し台車やAGVと組み合わせ

 工作機械の分野では、機械の横などにロボットを固定して自動化することが多いが、近年脚光を浴びるのがロボットを無人搬送車(AGV)や手押し台車に搭載し、可動式にしたロボットシステムだ。会場内でも、そうしたシステムが複数展示されている。

多品種少量生産に向くDMG森精機のマトリスライト

 DMG森精機(3C21)は「5軸複合化」「自動化」「デジタル化」をテーマに、ロボットシステムの実機や、計測システムのプレゼンテーションなどを見せた。 テーマの一つの「自動化」では、ワークの搬送や着脱を自動化できるロボットシステム2台を披露した。「MATRIS Light(マトリスライト)」は、台車に協働ロボットを搭載したシステムで、手で押して簡単に移動でき、多品種少量生産に向く。

DMG森精機のAGV搭載型ロボットWH-AGV5

 「WH-AGV5」は、独自のAGVと安川電機の協働ロボットを組み合わせた、自律走行型のシステムだ。磁気テープやマーカーなしで走行でき、35mmの段差も乗り越えられる。会場では、WH-AGV5が直径27mmの丸パイプをつかんで搬送し、直径28~30mmの連続した3つの穴に丸パイプを入れるデモンストレーションを披露した。
「協働ロボットに搭載されたカメラがタグを読み取る。タグを読み取った角度を認識するため、ロボットがどんな姿勢でも高精度な位置決めができる」と説明員は話す。

自動計測や不良品の仕分けにも対応するスター精密のロボットシステム

 スター精密(3C15)の主力製品はスイス型CNC自動旋盤だが、影の目玉出展はこちら。協働ロボットを無人搬送車(AGV)に搭載し、自動旋盤で加工したワーク(加工の対象物)を回収するシステムを実演展示している。
 洗浄後に乾燥させたワークを自動計測し、良品と不良品を仕分けるのはもちろん、良品から加工補正値を割り出し、補正値を自動旋盤に送信する仕組みだ。
 「展示スペースの都合で1台での実演だが、1台のAGVに複数の自動旋盤を担当させれば、順次ワークを回収しながら、それぞれの加工機に補正値を送信し続けることで無人工場を実現できる」(説明員)という。

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